青空蒼天さんからの質問
Q. 狭い部署で、女性の正社員は私だけ。
パートの女性たちとうまく付き合う方法は?

今回質問させていただきたいこととは、職場での立ち居振る舞いです。前の職場でイジメに遭い、トラウマと不安障害を発症しました。今の職場は8年目になります。移動が3年に1度ある会社ですが、急に不安になる、他人の目や陰口がとても気になる、といった症状も何とかかわしながらやってこられました。しかし……。現在は、15人程の狭い事務室の部署で働いています。男性は6人で全員が正社員ですが、女性は私一人が正社員で、他はみな30、40代のパートなため、どうしても女性社会で私だけが浮いてしまいます。私は言動に気を付けないと、彼女たちの癇にさわることがあると感じています。陰口があるのです。これからもこのような女性たちの中で仕事をしなくてはなりません。彼女たちとうまく付き合える立ち居振る舞いや心の持ちようを教えてください。(36歳)

特別ゲスト 田村耕太郎さんの回答
A. 相手の嫌な態度にも反応せず、
自然な態度で接していれば
相手も見直してくれるかもしれません

身も蓋もないことをお伝えしてしまいますが、基本的に人は他人の成功を心底は歓迎しないものです。とくにグループの中で一人だけ上手くいっている人がいたら、その一人はまず嫌われる。信じたくないかもしれませんが、じっくりと考えてみると「たしかにそうかもしれないなあ」と思われる節もあるのではないでしょうか。つまり恵まれた環境にいる人間というのは、それだけ厳しい環境にも置かれているということでもあるのです。まずそのことを肝に銘じられておいたほうが、受けるショックも少しは減るのではないかと思います。

だからといって、パートの人たちに妙にへりくだったり媚びたりしてはいけません。そのような態度は、パートの人たちからしたら、「上目線で同情されている」と受け取られ、さらに反感を買ってしまうだけでしょう。ではどうすればいいかと言いますと、「嫉妬されるのは当たり前。いろいろ言われても仕方ない」と腹をくくったうえで、自然に付き合うことです。そういう態度を続けていれば、パートの人たちも青空蒼天さんのことを、「私たちが嫌な態度をとっているのは分かっているけれど、何も言わず頑張って自然に振る舞っている人」と見るようになり、「頑張ってるじゃない」と少しは見直して態度を変えてくれるかもしれません。

「私は恵まれていない」、「正社員もラクじゃないんだ」と思わせるために、弱みを見せるという方法も時には有効です。青空蒼天さんは不安障害を患われているとのことですが、そのことをパートの人たちに明かしてもいいと思います。同情から、攻撃の手を緩めてくれるかもしれません。ですが弱点をさらけ出すことにはリスクもあり、さらけ出し方を間違えるとかえってその弱点を攻められるようになる、ということもあり得るのです。そのあたりをしっかり考えられたうえで、話すか話さないかは決められてほしいと思います。

恋人や親友のように絆が強い関係以外で、他人が他人を応援するときというのは、お互いの利益が一致しているときです。たとえば嫌いな上司といった共通の敵がいるとか、あるいは青空蒼天さんが頑張ることで自分たちも正社員になれる可能性があるとか……。そういった条件がない限りは、パートの人たちと対等に付き合うことはまず難しいでしょう。本当にお辛いようでしたら早めの異動を申し出るのも手だと思いますが、それまでは「仕方ない」と何とか流して、できるだけ自然に付き合うことを意識されてみてください。

PROFILE
  • 田村耕太郎(たむらこうたろう)国立シンガポール大学リー・クワンユー公共政策大学院兼任教授。ミルケン研究所シニアフェロー、インフォテリア(東証上場)取締役、データラマ社日本法人会長。日本にも二校ある世界最大のグローバル・インディアン・インターナショナル・スクール顧問他、日、米、シンガポール、インド、香港等の企業アドバイザーを務める。データ分析系を中心にシリコンバレーでエンジェル投資、中国・インドのユニコーンベンチャーにも投資。元参議院議員。イェール大学大学院卒業。日本人政治家で初めてハーバードビジネススクールのケース(事例)の主人公となる。著書に『君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか?』(マガジンハウス)、『野蛮人の読書術』(飛鳥新社)、『頭に来てもアホとは戦うな!』(朝日新聞出版社)など多数。 この人の回答一覧を見る
 取材・文/山本奈緒子 

 

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