ポルコさんからの質問
Q. 病気で思うように働けず、不安と焦りでいっぱいです。

スキルアップを目指していたところで、急性低音障害型感音性難聴になってしまいました。ある朝、突然の耳の閉塞感で耳鼻科を受診しました。そこで長い名前の病気を告げられました。原因は分かっておらず、疲労とストレスで誘発されるとのこと。仕事をしなくては食べていけません。せっかく昇進のお話もいただいていたのに、仕事に行けないのが悲しいです。職場にストレスがないとは言えませんが、それでも10年間頑張ってきました。だから「できる!頑張れる!」と思っても、朝は目眩と動悸、倦怠感で起きることができません。午後から出勤しても数時間しか持ちません。職場のみんなは嫌な顔はしませんが、職場での立場を追い越されてしまうのではないか、奪われてしまうのではないかと不安で仕方ありません。これからどのような考えでいたら良いのでしょうか? 昇進を諦めるべきでしょうか?(46歳)

特別ゲスト 樋野興夫先生の回答
A. 衣食住が足りているなら良しとして、
人生の使命を探しに行きましょう。

人間は、衣食住さえ足りていたらあとは干されたほうが良いのですよ。安定した給料があるなら、暇になったほうが良い。ポルコさんには、そのような価値観を作られることをお勧めしたいと思います。もちろん、給料がないと大変です。自立できませんから。そうではなく、給料はもらって窓際、というのが一番良い。出世なんて、どうでも良いことですよ。ですから譲れる仕事はできるだけ人に譲ってしまいましょう。

日本人というのは、多くの人が“看板かじり”なのです。どこそこ会社に務めているとか、部長であるとか、そういった看板にすがって生きている。でもそれは、人間として偉いのではなく、看板として偉いだけ。そういった生き方をしていると、定年して看板がなくなったとき、周囲の人は去っていってしまいます。そうして孤独からうつ的になる人が非常に多いのです。

誰しも、仕事において「あれをしなければいけない、これをしなければいけない」というのとは違う、人生における役割というものがあるものです。それは、自分より困っている人に出会うことで見つかるもの。ぜひそういった人を、探しに行かれてください。ポルコさんは急性低音障害型感音性難聴に苦しまれているとのことですが、もっと症状が重く、耳が聞こえないという人も世の中にはいっぱいいます。かの有名なヘレン・ケラーは、耳が聞こえないだけでなく目も見えない、言葉も喋れないという三重苦でした。しかしサリバンという女性に出会い、立ち直り、多くの苦しんでいる人を救いました。そのサリバンも、実はもともとうつ病に苦しんでいたのです。そのときある看護師に助けられ、自分も看護師になることを選んだ。そうして、ヘレン・ケラーに出会ったのです。サリバンも、ヘレン・ケラーによって救われていたのですね。ポルコさんにも、ポルコさんの使命が必ずあるはずです。会社での役割にしがみつかず、ぜひ人生の使命を探されてください。

余談ですが、昇進をしても上がる給料というのは数万円だと思います。その額というのは、1週間に1日絶食をすれば相殺できます。1週間に1日絶食をすると、摂取カロリーがそれまでの約70%になるわけですが、実はそのくらいのカロリー摂取の人のほうが長生きをする、というデータも上がってきているのです。人間とはそういうもの。すべて満たされると、大したことにならないものです(笑)。

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 取材・文/山本奈緒子 

 

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