ヨーダさんからの質問
Q. 独身無職の兄ががんに。
両親も他界しているため、納得いかないまま妹の私が面倒を見ています。

フリーターで独身の兄はずっと実家に居候しており、両親が亡くなってからも遺産で食いつないで何もしていません。その兄に肺がんが見つかりました。手術をして1ヵ月ほどで退院しましたが、その間の世話は私がせざるを得ず。小学生の子どもが2人いるのに頻繁に病院に通い、大変でした。兄は申し訳なさそうにはするものの、これまで両親に依存してきたのと同様、私に頼ろうとしているのが見え見えです。今回の費用は親の遺産でまかなえましたが、今後再発があれば足りなくなることは必至で、そのときは私が負担するしかないのだろうかと納得いかずにいます。そもそも結婚しないのも仕事がないのも、「俺にはもっと合う相手(または仕事)がある」という、兄のどうしようもない性根から招いた状況なのに……。独身無職のきょうだいを抱える「きょうだいリスク」という言葉を聞きましたが、まさにそれです。今後、兄にどのような対応をすれば良いでしょうか。お知恵をお貸しください。(46歳)

特別ゲスト 樋野興夫先生の回答
A. お兄さんより困っている人がいる環境を探して、
そこにお兄さんを連れ出してあげてください。

兄が独身無職で自立していないところに、がんが見つかったと。そこで妹であるヨーダさんが面倒を見なければいけなくなった。昨今、こういうきょうだいの看護の悩みは増えていますね。つい先日も、同様の相談を受けました。「兄は働かないくせに偉そうに言う」と。

まずお兄さんには、どんな小さな仕事でも良いから働いてもらうことが第一ですよね。最低限自分の夕食代は稼ぐ、これが自立ですから。しかしこういったお兄さんに、ただ「働け」と言っても無理でしょう。それよりも、「人のためにできることを探しましょう」と言ってあげてください。人は、何か自分の役割を見出せないとなかなか働かないものです。誰かのために心が向かない限り、部屋に閉じこもったまま出てきません。

ですからお兄さんを、お兄さんより困っている人に引き合わせてあげてください。お金にならなくとも、最初はボランティアでも良いかと思います。私の子どもたちは、インターナショナルスクール時代に、ホームレスにご飯を作って差し出す、という活動を友人と企画しおこなっていました。また子どもの友人には、犬の散歩に行けなくなった老夫婦に変わって、犬の散歩をするボランティアをおこなっている子もいました。その子は最後、奥さんと一緒に旦那さんを見送ったそうです。日本人にはなかなかボランティアをおこなう習慣がありませんが、本当は意識的に困っている人を探しに行き、手を差し伸べることが大事だと思うのです。これこそが、私の考える“偉大なお節介”でもあるのです。

おそらくお兄さんも、ただ「困っている人を助けなさい」と言ったところで、動かないでしょう。大変だとは思いますが、ヨーダさんがそういう環境を探して、ぜひお兄さんを連れ出してあげてください。お兄さん自身が自分の役割を見出さない限り、ヨーダさん自身の悩みも解決はしませんから。

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 取材・文/山本奈緒子 

 

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