羽田から3時間で石垣島。空港から離島へ向かう船が出るターミナルまで移動して、船で約10分。

約600年の間、伝承され続けているというお祭り「種子取祭(タナドウィ)」を取材するために、沖縄の離・竹富島に。10月末にして、夏がカムバック! 油断してしまい、日焼けをしていまいました(苦笑)。

サンゴの白砂が敷かれた路地。赤い瓦の民家の街並。沖縄の原風景が残ると言われています。

竹富島に訪れるのは人生で2度目。1回目はたしか10年前くらい。まったく変わらない風景にホッとします。

いたるところで見られる石灰石の石垣「野面(のづら)」が、ただ積み上げられてできているものだと初めて知りました。加工していないサンゴの石灰石をセメントなどでつなぐことも鉄柱も通さずに、ただ積み上げているだけ……風が適度に通り抜けるようになっているため、台風などがきても倒れることがないのだといいます。とはいえ、不規則な形の石たちをパズルのように重ねて幅が一定の塀にしていくだなんて、私からしてみれば奇跡!

雨がふるとサンゴが溶け出し、接着剤の役目をはたしつつ密度がつまって強度が上がっていくのだそう。
時を重ねると植物が自生しだします。根や茎が鉄柱の役目を果たし、さらに強度がアップ。


翌日に控えた種子取祭の奉納芸能の総仕上げ(最終リハーサルといったところでしょうか)を行うところ(通常は見学不可)も特別に見せていただきました。集落の方々が見つめる中、厳粛な雰囲気で夜遅くまで続いていました。

島出身で、現在は島外に出た方々も種子取祭に合わせて戻ってきます。島の人口が観光ハイシーズンの夏より多くなるのだとか!?

お祭り好きなので、今までたくさんのお祭りを見てきましたが、今回はお祭りというものを見る目が変わってしまうほどの貴重な体験でした(詳細レポートはまた追って)。

こちらは空港に貼られていた「不便も離島の特徴。都会にはない不便をお楽しみくださいね」のメッセージ。なぜ日常では私は不便を楽しめないのかな……!?
観光客を迎えるおもてなしの心で、毎朝きちんとほうきではいているという集落のサンゴの白砂の道は、よく見れば「ほうきの目」がついています。今回、取材協力していただいた「星のや竹富島」さんの敷地内の道やお庭も同じように。

まだまだ世の中には知らないことばかり。島のムードに浸っていくほどに、気持ちもカラダもほぐれていきましたが、一方で、たくさんの刺激を感じることができた滞在となりました。