今、神奈川県立近代美術館 葉山で開催中の「アルヴァ・アアルト展」に行ってきました。葉山の海に隣接して建つ、葉山御用邸の隣の美術館。自然を愛し、自然からインスピレーションを得てデザインしていたアアルトの展覧会にぴったりの場所です。
フィンランドの建築家であり、優れたデザイナーでもあったアアルトの全体像を俯瞰できるこの展覧会で最も魅力的なのは、その壁や小物を使ってスタイリングされたコーナーです。ラウンジのように座って葉山の海を眺めながら、その家具を体感することができます。
例えばこの小さな壁付の棚。三角形の脚を上につけることも、下につけることもできます。この棚に象徴されるのは、良いものを少なく持って美しく暮らすという姿勢です。実際にフィンランドに取材に行ったお宅では、多くの家が棚をリビングやキッチンで使っていました。飾るほどではなく、でも決して乱雑に汚くなってはいない日常での使い方。一つ一つの物がいい加減に選ばれた物ではなく、限られた数だからこそ可能な暮らし方。それはまさに、「ライフスタイル」そのものでした。
物があふれ、物に支配されつつある日本の私たちの暮らし。自分のことを省みて、たくさんの反省があります。衣替えのこの時期、1枚のセーターが本当に必要なのかどうか、私もそこから考え始めています。
「アルヴァ・アアルトーーもうひとつの自然」
<場所>神奈川県立近代美術館 葉山
<会期>2018年9月15日(土曜)~11月25日(日曜)
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