米倉涼子さんが、過去に観た映画を紹介するアーカイブ コレクション。
そのときに観た映画から、米倉さんの生き方、価値観が垣間見えます。

Paramount Pictures / Photofest / ゼータイメージ

ハリウッド大作『スター・トレック イントゥ・ダークネス』、とにかくCGの迫力がものすごかった! 未知の惑星の映像の臨場感とスケール感が素晴らしくて、一気にこの世界に引き込まれてしまいました。冒頭でCGに感動したせいか、その後の展開は思っていたよりもインドアが多くて、彼らは今どこにいるの!? と混乱したりもして(笑)。

でもロジカルな人や感覚的な人、様々な性格のクルーたちがひとつの宇宙船に乗っているからこそ、ドラマが生まれていくんですよね。違和感がありつつも面白かったのは、舞台が2259年のイギリスというところ。
250年くらい先のことだけれど、人々はまだ本を読むこともあるんだなとか、車は浮きながら走るくらいで進化が止まるのかな、とか近未来に思いを馳せつつ鑑賞しました。
びっくりしたのは、カーク船長が放射能にさらされてしまうシーン。日本人として被曝のことにはナーバスになっているからか、この映画のように治せる方法が早く見つかればいいのに、なんてことも考えてしまいましたね。

そして、今話題の俳優だというベネディクト・カンバーバッチ、私が昔好きだったキアヌ・リーブスと、シュワルツェネッガーを足して2で割ったようなルックスかも!? あまりにも話題なのでてっきり主役だと思っていたのですが、彼は悪役なんですね。
走るシーンまで迫力があって、アクションもこなせる俳優さんという印象を受けました。男の子は絶対に大好きだと思うからデートムービーにもぴ ったりの作品だし、カーク船長のような爽やかなイケメンからカンバーバッチのように重みのある悪役までかっこいいキャストがタイプ別に揃っているので、女子にもうれしいSFアクション。

『スター・トレック』シリーズについての知識がない私でも楽しめましたが、観るほうもエネルギーを要求されるパワフルな作品なので、お疲れ気味のときは避けてくださいね(笑)。

『スター・トレック イントゥ・ダークネス』
西暦2259年。USSエンタープライズを率いるカークは、未開の惑星を探索中に規則違反を犯し、船長を解任される。その頃、ロンドンの宇宙艦隊データ基地が爆破され……。

取材・文/細谷美香
このページは、女性誌「FRaU」(2013年)に掲載された
「エンタメPR会社 オフィス・ヨネクラ」を加筆、修正したものです。