こんにちは。ミモレの川端です。おすすめ本のご紹介、ちょっと間があいてしまいました。今日は、本にまつわる最近の気になったニュースのお話です。

楽しみにしているテレビ番組のひとつにNHKスペシャルで不定期にやっているマツコ・デラックス×有働由美子の「AIに聞いてみた どうすんのよ!?ニッポン」というシリーズがあります。少し前に放送された第3回「健康寿命」の回で、「健康寿命を延ばすには、運動よりも食事よりも読書が大事」というAIによる解析結果が紹介されていました。
のべ41万人の600問の回答データをもとに、「健康」か「不健康」と答えた人それぞれに多い要素や要素同士の関連の強さをマッピング。「健康・不健康ネットワーク」を導き出したといいます。
健康寿命が日本一長いのは「山梨県」で、人口に対する図書館の数が日本一多く、学校司書配置率も93%と非常に高いというデータも紹介されていました。山梨の方、いかがですか?
もうひとつ、最近、シェアされてきて読んだニュース記事「『電子書籍よりも、読むならやっぱり紙の本』と信じる大人に、今知って欲しい子どもたちの話」では、「ベネッセコーポレーションの研究所が、子どもたちの読書履歴と学力テスト、アンケートの結果から『読書量が多い子どもほど、学力が伸びている』という結果を導き出した」というレポートが紹介されていました。
読解力が算数のテストの点数に影響するのは、さもありなん!という感じですよね。このニュースで画期的だったのは、紙の本じゃなく、電子書籍の効果を調査しているところ。
しかし一方では、「子どもの時に、自宅に紙の本が何冊あったかが一生を左右する」という結果も。「本に囲まれて育った中卒と本がなかった大卒が同じ学力」というのだから衝撃です!
先日、『本屋の新井』の著者であり、カリスマ書店員として知られる新井見枝香さんにお話を聞く機会があったのですが、「最近の若いお母さんには子どもの頃から本に親しんだ経験がない方もけっこう多くて、娘に何を読ませていいかわからないと相談にいらっしゃることも」というお話も。
もちろん、それは“なげかわしい”といったニュアンスではなくて、電子書籍やPCで個別に見るほうが主流になっていけば、自宅に家族の本棚があることが普通ではなくなっていくでしょう。


「朝の読書時間をはじめたら、学級崩壊がなくなった」とか、「読書習慣のある人のほうが年収が高い」なんてデータは昔からありましたが、最近とくにそういう記事が増えている気がします。
今日そんなニュースをご紹介したのは、本好きバタやん、えっへん!だよね!だよね!ということではなくて、むしろ逆で、そうやって読書を健康に良いもの、摂取すべきもの、みたいに取り扱うのやめてけれ~~~という小さな訴えなのです。(前ふり長くてすみません!汗)
読書を「高尚な趣味」みたいに扱わんで。出世したいとか、道ならぬ恋がしたいとか、ドロドロした女の嫉妬がのぞきたいとか、やましい下心があって読む本がほとんどですから。
とくに子どもたちへのアプローチとして、カラダにいいものだから、将来のためだから、なんて言われると食べないし、やらないし。大人の目を盗んでこっそり……。あるいは、大人だって、やるべきことがほかにあるのにどうしてもつい……みたいな存在であってほしい。期末試験前に必ず「ガラスの仮面」を1巻から読み始めちゃうみたいなやつです。
流行る、ハマるって、どっかやましさがあるものです。
データとしてとられていないだけで、「若い頃にアイドルの追っかけをしたことがある人ほど◎◎が高い」とか「健康器具がある家庭で育った子ほど、将来△△になる」みたいなことってほかにもたくさんありそうですよね。
新井さんも同じようなことをおっしゃってましたが、「私最近ぜんぜん本読めてなくて(恥ずかしい)」とか「忙しいのに本たくさん読んでてえらい」などと友だちからよく言われるのですが、えらいもえらくないもなくて。こんなに仕事や家事をほったらかしているのに、読みたい本があってツライ。家のリビングも読みかけの本がぐちゃぐちゃでツライ。大事な仕事のメールの返信もしていないのに、感想とかのんきにアップしててすみません(汗)という気持ちなのです。
そんなやましい気持ちから、ライフハックの真逆、モノと煩悩がどんどん増える暮らしの種でもある読書を、ひっそりと共有する機会をいろいろつくっていきたいと思っています。
11月6日(火)の夜19時からミモレのInstagramでライブ配信予定です。24時間、動画は保存されますので、リアルタイムでなくても視聴いただけます。グダグダな可能性あり(汗)。
第1回の課題図書、本谷有希子さんの『静かに、ねぇ、静かに』に収録の「本当の旅」はこちらから無料で読めちゃいます。
そしてなんと、第2回インスタ読書会も開催決定! 11月20日配信予定です。
第2回のお題は、インタビュー公開中の姫野カオルコさんの『彼女は頭が悪いから』にしました。
こちらもなかなか重たいテーマではあるのですが、みなさんとお話ししたいことがたくさんある本です。ぜひ姫野さんのインタビューだけでもお読みいただいて、コメントお寄せいただけたら嬉しいです。

ではでは、また~!
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