日本でも、シンガポールでも、よく娘が他のママに言われるのが、「女子だねーー!」です。たとえば、最近服の好みがうるさくて、「あれはいやこれもいや、あのお気に入りじゃなきゃいや!」「それ昨日も着てたから洗濯中だよ…」みたいなやりとりを毎日してる、みたいな話をしたときとか。

あるいは、誕生日パーティみたいな場で、少し大きなお姉さん(5~7歳)たちが子ども用のマニキュアを塗っていた時に、興味を示して自分もやりがったりしたときに。「女子だね~~」が飛び出します。

でも、息子も3歳前後のときには、この靴下じゃなきゃヤダとか、あの服がいいみたいのは激しくあり、ウルトラマンの靴なんぞ2足揃えました。マニキュアみたいなものをはじめてみたら興味を示して、やりたがるのは同じです。

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でも、男の子だったら「女子だね~」あるいは「男子だね~」とも言われずスルーされて、女の子だったらキャイキャイと誉めたてられる?というのもなんだか不公平。こうやって知らず知らずのうちに、男の子は「お化粧のことを自分が言うのは歓迎されない」とかいう風に受け止めてしまう。

こういうのをジェンダー規範の「内面化」と言います。私が専攻している教育社会学などでもずいぶんと研究がされてきていて、「女の子はおとなしくしていなさい」「女の子は勉強ができなくていい」といった直接的な言葉はだいぶ減っているのかなと思います。が、それでも社会的に女の子らしいもの、男の子らしいものを当てはめる言動は日常の中にまだまだ溢れてるなぁと思います。

大人の話が分かるようになってきた息子には、自分たちや友達がLGBTである可能性もあるということを常々話しています。「ある時、自分は女の子かもしれない、女の子の格好したいなって思ったら教えてね」「妹ちゃんも、たぶん今のところ女の子だと思うけど、ある日突然、私本当は男の子だった!っていうかもしれないよ」「世の中には男の人同士、女の人同士で結婚したいなって思う人もいるよ」。そして、別にLGBTでなくたって「男の子でも女の子がするとされていることをしたっていいし、女の子だって男の子ばっかりしてることをしてもいいんだよ」

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今年のハロウィン。私がコワめのアイメイクをしていたら魔女の衣装を着た息子が自分もしたいというので、息子にもアイメイクをしてみました。娘は目の近くに何かを描かれるのが嫌だったようなので、手の甲に黒猫を描いてあげました。

子どもたちとハロウィンパーティに行ってみると、やはり女の子たちの中には紫やキラキラのアイメイクをしているケースがちらほら。日本人ママたちは「息子君もメイクしたんだ~~」という反応でした。うん、そうなの~。以前こちらのコラムで女性ばかり化粧を必ずしないといけないというのはおかしいというような内容を書きましたが、同じように男性が化粧をしてはいけないということもないですよね。

ちなみに別の日に、インターナショナルなハロウィンイベントに行ったら、「メイクしたんだ」どころではない本格的な仮装の子どもたちがうじゃうじゃ!お化粧という範疇じゃないかもしれませんが、そもそも人間かどうかがあやしい!こわすぎました。