先週、私はとても疲れていました。公私共々、いろいろな案件が押し寄せてきて、頭の中はパンク寸前。でも、私には、そんな一週間を乗り切るためのお楽しみがありました……

そう、それは映画『ボヘミアン・ラプソディ』を観ること!

世界的人気ロックバンド「クイーン」のボーカルで、1991年に45歳の若さでこの世を去ったフレディ・マーキュリーを描いた作品。オリジナル楽曲がたくさん使われ、さらにクライマックスでは、20世紀最大のチャリティコンサート「ライブ・エイド」での圧巻のパフォーマンスが再現されると聞いていたので、IMAXシアターで鑑賞しました。これから観る方にも断然、IMAXやScreenX、もしくは爆音上映での鑑賞をおすすめします!

時系列や事実関係(フレディがエイズを知るタイミングとか、フレディが最愛の恋人と出会うシーンなど……)など脚色されている箇所は多々あるようですし、テンポ良く進みすぎてフレディのアイデンティティに対する苦悩が描ききれていない、他のメンバーが軽視されすぎ(とはいえ、今作は遺族やメンバーの全面協力を得ているのでストーリーをシンプルでダイナミックにするための確信犯ですね)など……長年クイーンを見てきている方からすると気になる点はいろいろとあるようなのですが、それらはまったく気にならない強さがある作品だと思います。クライマックスで味わえる興奮はドがつくほど直球の王道エンターテインメント! 途中からずっと、「なぜ、手拍子したり、足で床を鳴らしたり、一緒に歌うことが許可されている応援上映で鑑賞しなかったのか!」と悔やんでいたくらいの大興奮。途中から(苦笑)ずっと涙しておりました。

極上のエンターテイメントとして充分に楽しめる今作。一方で、フレディが主人公なだけに、「人種的」「性的」マイノリティといったテーマを内包しているのも大きなポイントです。「自分は何者か?」という誰しもが心の中で抱える問いに、観客は向き合うことにもなります。

 
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