NHK大河ドラマ『西郷どん』や、ヒロインの元婚約者を演じている『中学聖日記』、このドラマに先んじて出演した『オールスター感謝祭』(TBS)ではアーチェリーで2連続で見事に的中させて大きな話題を呼ぶなど、今、追い風が吹いている俳優、町田啓太さん。

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町田啓太(まちだ・けいた) 1990年7月4日、群馬県出身。主な出演作はドラマ『女子的生活』、大河ドラマ『西郷どん』、映画『OVER DRIVE』など。現在、ドラマ『中学聖日記』、『PRINCE OF LEGEND』に出演中。今後の公開作に『二階堂家物語』(2019年1月25日公開)、『PRINCE OF LEGEND』(2019年3月21日公開)、『L♥DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』(2019年3月21日公開)がある。またWOWOW『盗まれた顔~ミアタリ捜査班~』(1/5~放送)にも出演する。

 

やりたいことに挑戦できた今年


「最近、声をかけて下さる方も増えました。今年は自分がやりたかったことに挑戦させてもらえたので、それがいい方向に動いて、もしかしたら目にとめて下さる方が多くなったのかな、と。
僕の存在が劇団EXILEを知ってもらえるきっかけにもなったら、すごくうれしいですね。
最近はみんなで集まる舞台を以前のように定期的にはやっていないので、今回の映画はすごくありがたい機会でした。
それぞれの個性を生かしてそれぞれの場所でやってきたメンバーがまた集まって挑戦した作品が『jam』。誰かメンバーのひとりに興味を持っている方はもちろん、劇団EXILEを知っている方も知らない方も楽しめる映画になっていると思います」

監督、脚本を手がけたのは『弾丸ランナー』以降、海外でも多くのファンを持つSABU監督。
熟女のファンに愛されすぎる場末の演歌歌手やヤクザに復讐を企む男など、それぞれの物語が描かれるなか、町田さんは意識が戻らない彼女のために善行を続ける青年、タケルを演じています。
どこか昭和の男のような古風な雰囲気を持ち、“二枚目”という言葉が似合う町田さん。笑ったときの目尻のしわも、好青年のイメージを生んでいます。
ひたすら“いいこと”を続ける爽やかな笑顔に狂気を感じさせるタケルは、「好青年の役を演じることも多いのですが、それだけではない面を出していって作品や役ごとに違う顔を見せていきたいです」という言葉を証明するような役柄だといえるかもしれません。

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「台本を読んだとき、3人の話が交錯していくのが面白いなと思いました。タケルに関しては最初、好青年という印象だったのですが、もう一回読んでみたらこいつはちょっとおかしいな、と気づいて。
彼女に対する愛情が過剰すぎて、何かズレているところがあるんですよね。そこをタケルという人物の面白みとして出せればいいかなと考えました。
たとえば病院のベッドで眠り続けている彼女に、ハンドクリームを塗るシーン。SABU監督からは事前に、いやらしく塗ってほしいと言われていたんですね。現場ではその言葉を思い出しながら自分なりに自由に演じたら、カットがかかった瞬間に女性スタッフから“キモ~い!”っていう声が上がって、よしよし、って思いました(笑)。
ハンドクリームを女性に塗ってあげるってなかなかないことなので、貴重な経験でしたね」

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深夜に及んだ撮影にも関わらず、爽やかな笑顔

 


パイロットにダンス……そして俳優へ
 

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かつてはパイロットを目指していたという異色の経歴を持ち、「自分がやってみたいと思うことには素直なタイプ。ずっと“広く浅く”でした」と自己分析します。
「高校も航空学校に行ったり、体もかたいのに全然やったことのないダンスを急にはじめて体育大学に入学したり…。お芝居もまったくやったことはなかったのに、興味を持ってはじめてみたんです。
これまではちょっとやってみてある程度満足するとそこで辞めてしまうことも多かったのですが、俳優の仕事だけは、“もっと、もっと”と思うことばかり。
こんなに深く掘り下げていきたいと思ったことは初めてです。…とか言っておいてこの先、田舎に帰って畑を耕しているかもしれないですけど(笑)、今はとにかくこの仕事の面白さにのめり込んでいます」

 

最近、一番刺激を受けたメッセージとは?
 

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ダンス経験を生かし、軽やかにポーズを決める

最近、俳優として刺激を受けたことについて聞くと、「これはぜひ読んでいただく方たちにも伝えたいです」と素敵なエピソードをシェアしてくれました。
「今年の『なら国際映画祭』で、尊敬する撮影監督のクリストファー・ドイルさんにお会いすることができたんです。
僕、『恋する惑星』や『ブエノスアイレス』などウォン・カーウァイ監督の作品が大好きで、特に『花様年華』のトニー・レオンさんが大好きなんです。ダボダボのブリーフ1枚でもかっこいいって、どういうことなんだろう!? 普通だったら笑える格好なのに、って。
クリストファー・ドイルさん独特の、酔ってるのかな? っていうカメラワークもすごいですよね。実際にお話しさせていただいたら、ものすごくユーモアあふれる陽気な方だったのですが、(映画祭のエグゼクティブディレクターの)河瀨直美さんからの、“何か彼に言ってあげて”という言葉を聞いたら、ふわふわしてたのにいきなりパッと真顔になって、こう話してくれたんです。
“僕らはつないでいくことが大事なんだ。役者やスタッフのエネルギーをカメラへつないで、カメラからお客さんまで思いをつなげて、それを届ける。つなげるエネルギーとパワーが大事なんだよ”って。
本当に素晴らしいメッセージだと感じて、最近一番刺激を受けたことです。僕たちの仕事はひとりではできないことだな、とあらためて思いました。いつかウォン・カーウァイ監督の作品に出られたら最高ですよね。目標は、トニー・レオンさんのような白ブリーフでもかっこいい男。これから先、頑張って経験を積んでいきたいです」

<映画紹介>
『jam』

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熟女たちからの熱狂的な支持を受けている場末のアイドル演歌歌手の横山田ヒロシ。意識が戻らない彼女のために、善いことを続けると願いが叶うという迷信を信じ、その行いを続けるタケル。自分を刑務所に送ったやくざ達に復讐を仕掛け、追い回されるテツオ。全く違う生活を送る3人が、ひょんなことからすれ違い、対峙していくことになる。善いことをすれば報われる、悪いことを重ねると自分に跳ね返ってくる・・・、因果応報を体感する男たちの物語。劇団EXILEのメンバーが総出演、EXILE HIROプロデュースによる完全オリジナル新作映画プロジェクト。12月1日(土)より、新宿バルト9他全国公開。

監督・脚本・編集:SABU
出演:青柳翔、町田啓太、鈴木伸之、筒井真理子
配給:LDH PICTURES 12月1日(土)より新宿バルト9他全国公開
©2018「jam」製作委員会


撮影/横山順子
取材・文/細谷美香
構成/片岡千晶(編集部)
 
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