季節を問わず着られ、永遠のスタンダードである「ボーダーカットソー」。mi-molletでの連載でもおなじみの人気スタイリスト福田麻琴さんも「選び方次第では、一枚でサマになり、コーディネートを爽やかに、そして華やかに格上げしてくれる優秀なアイテム」と話します。とはいえ、ボーダーを着た自分を鏡で見たときに、なんだか野暮ったく、どこかほっこりしていると感じたことがある人は少なくないのではないでしょうか。

その原因のひとつは、どうやらボーダー自体の選び方にあるよう。どんなボーダーカットソーがいいのか、スタイリスト福田さんに尋ねるとこんな答えが。「大人の女性に似合うのは、細ピッチのボーダーです。カジュアルな中にもエレガントさを感じさせるスタイルにできます」とのこと。なるほど! 大人の女性がボーダーを着るときに大切なのは、色でも生地でもなく、ピッチなんですね。選び方がわかったところで、次は着こなし。おすすめのスタイルを4つ提案していただきました。


1.NOTデニム! ストイックな黒のパンツでシャープに。

ボーダーカットソー/セントジェームス パンツ/エンフォルド ベルト/ハイク バッグ/セリーヌ シューズ/スペルタ

ボーダーカットソーといえば、デニム合わせが定番スタイル。でもあえてセンタープレス入りで、きれいめな黒のハイウエストパンツを合わせてみましょう。「少しオーバーサイズなボーダーカットソーはパンツにINして、ベルトできゅっとウエストをマーク。このバランスがスタイルアップして見せてくれますし、シャープな着こなしを叶えてくれます」


2. 黒のフレアースカートを合わせた大人のフェミニンスタイル

ボーダーカットソー/シンゾーン スカート/ヴェルメイユ パー イエナ  イヤリング/スティーブン アラン 腕時計/エルメス バングル/シンパシーオブソウル バッグ/セリーヌ シューズ/スペルタ

カジュアルなボーダーにはパンツを合わせたくなりますが、フレアースカートを合わせたフェミニンなスタイルも新鮮。小物も黒でまとめて、ブルーと黒のみの2色使いにすれば、「目を引くキッチュなブルー」も大人っぽくフェミニンに仕上がります。


3.ボーダー×デニムはモノトーンでシックに

ボーダーカットソー、デニム/ウィム ガゼット カーディガン/アニエス べー ベレー帽/LAULHERE ネックレス/ティファニー バッグ/トゥエルブクローゼット シューズ/スペルタ

ボーダー×デニムは、福田さんもこよなく愛する往年のフレンチミューズたちの“制服”。フレンチスタイル好きの永遠の憧れです。とはいえ、白とネイビーのマリン配色はカジュアルすぎて、大人には意外に難しいと感じることも。そんなときはモノトーンの出番です。白と黒の細ピッチのボーダーカットソーに、グレーの細身デニムを合わせれば、マリンな配色よりもぐっとシャープ。仕上げに鮮やかな色の小物をプラスすれば、さらに引き締まった印象に。


4.かっちりしたジャケットをラフに羽織ってボーダーにきちんと感をON

ボーダーカットソー/セントジェームス ジャケット/ステラマッカートニー デニム/レッドカード イヤリング/ノーブランド メガネ/モスコット バングル/ティファニー バッグ/J&M デヴィッドソン シューズ/スペルタ

福田さんのフレンチスタイルの源になっているリアルなパリジェンヌたちの着こなし。中でも注目したのがジャケット。「ジャケットは、パリジェンヌたちのクローゼットに必ず入っているもののひとつ。着こなしがとても上手なんです。かっちりとしたジャケットをラフに羽織る肩肘はらないスタイルは、私もよくお手本にしています」と福田さん。実はそんなジャケットはボーダーカットソーを着こなすときにも有効なんだそう。「ボーダーカットソー×デニムの王道マリンカジュアルも、ジャケットが加わるだけできちんと見えます」。合わせるジャケットは長め丈でボクシーなシルエット、細めのラペルが、より今っぽくシャープに決まります。
 

福田麻琴流、洗練ボーダースタイルはいかがでしたか? 次回は「福田麻琴スタイルを作るフランスの名品」をお届けします。お楽しみに。さらに詳しくスタイリスト福田麻琴さんのフレンチスタイルを知りたい方は、『THE FRENCH STYLE BOOK カジュアルで女性らしいパリジェンヌな着こなし』をどうぞ!


文/幸山梨奈

 

 

新刊情報
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福田麻琴 著 KADOKAWA刊 1400円(税別)

人気スタイリスト福田麻琴さんが考えるフレンチスタイルを、パリジェンヌのスナップと無駄のない洗練されたコーディネートとともに紹介する1冊。誰もが取り入れたい普遍的で新鮮なコーディネートはALL私服&セルフコーディネート! その他、覚えておきたい「フランスのアパレルブランド」、「長く大切に使いたいフランスの名品」、「パリジェンヌの今」など、福田さん視点で切り取る最旬フランス事情も必読です。