最近、抜け毛が増えてきたと感じることはありませんか? 実は、夏に受けたダメージがじわじわ現れてくる秋は、一年で一番抜け毛が増える季節だという説が。そしてそのダメージは、大人になるほど回復に時間がかかるもの……。そこで、ヘアケア製品の開発にも携わる皮膚科医・髙瀬聡子先生に、抜け毛・薄毛の予防法を伺いました。


抜け毛が増える原因
紫外線、ストレス、食生活など、加齢以外にも原因が


――そもそも、なぜ抜け毛が増えるのですか? 予防や改善はできるのでしょうか?

髙瀬先生 抜け毛や薄毛というと、年配になってからの悩みというイメージを持っている方もいるかもしれませんが、最近はそうとは限りません。紫外線や大気汚染、ホルモンの乱れ、間違ったケアなど、加齢以外にその原因はたくさんあります。中でも、食生活の乱れや睡眠不足、ストレスなどは、肌と同様、皮脂の過剰分泌や血流の低下を引き起こし、髪が健やかに育つ妨げに。さらにはホルモンバランスを乱して、毛周期にも影響を与えます。ただ、こういった抜け毛や薄毛は、早いうちから正しいケアをしたり生活習慣を整えたりすることで予防ができますし、すでに薄毛で悩んでいる場合でも、改善が期待できるので、まずは生活やケアの見直しを!

――正しいケアとは、具体的に何をすればいいのでしょうか? 
正直、あまり手間がかかることはできなくて……。

髙瀬先生 「普段のケアに何か別のケアを加えるのではなく、まずは今しているケアが間違っていないか確認を! 例えば、髪を十分濡らさずにシャンプーをつけていないか、ちゃんと頭皮を洗えているか、すすぎ残しがないかなど、シャンプーの基本的なステップを見直してみましょう。意外とやっていない人が多いのですが、シャンプー前にブラッシングをすることも、マストといえるくらい重要で、ブラッシングで髪表面の汚れを落としておくことでシャンプーが泡立ちやすくなり、髪の摩擦が軽減しますし、頭皮の血行もアップしてケア剤の効果をより引き出せます。また、ヘアケア剤が自分の肌に合っているかどうかもチェックが必要。もし頭皮が乾燥気味なら、洗浄力の強いタイプは避けて、アミノ酸系などのマイルドなものに変えてみてください」


――抜け毛・薄毛対策として頭皮マッサージも有効と聞きますが、おすすめの方法はありますか? また、抜け毛・薄毛の予防に頭皮マッサージがいい理由とは?

 

髙瀬先生 「原因の項目で触れたように、血流の低下が頭皮環境の悪化につながり、髪の生育を妨害してしまうので、マッサージで頭皮の血流をアップすることは、抜け毛・薄毛の予防や改善に有効といえます。特に秋冬は冷えて血流が悪化しやすい季節なので、よりマッサージでの血流アップが必要になってきますね。マッサージの方法ですが、手で揉みほぐすのももちろんいいですが、より簡単でおすすめなのがブラッシング。髪のもつれをしっかり解いてから、右から左、左から右、上から下、下から上……と、いろんな方向にブラッシングすることで血流がアップ。肌の血色もよくなり目もパチッと開く感じがして、いいことづくめですよ


抜け毛や薄毛の悩みを、過酷な冷えや乾燥が待っている冬本番まで持ち越さないために、生活習慣の見直し、正しいヘアケア、そしてブラッシングでの血流アップを、今すぐ始めましょう!

髙瀬 聡子(タカセ アキコ)

皮膚科医。ウォブクリニック中目黒総院長。わかりやすいスキンケア解説が人気で、メディアにも多く登場。著書『いちばんわかるスキンケアの教科書』や『ゆる美容辞典』(いずれも講談社刊)は、美を追求する女性のバイブル的存在。

 

『髪を育てよう! 頭皮ケアブラシ』

監修:髙瀬聡子(ウォブクリニック総院長) 秋葉千菜(GARDEN Tokyoアートディレクター) 講談社刊/1350円
ISBN 978-4065-13291-3

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『髪を育てよう! 頭皮ケアブラシ』のほか、料理、美容・健康、ファッション情報など講談社くらしの本からの記事はこちらからも読むことができます。
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構成・文/宮下弘江

 


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