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性欲との向き合い方に正解はない 〜熟女がありのままの女性性を肯定する方法〜

−−− 二律背反と言えば、性に関する取材をしていると「ライフパートナーとセックスパートナーは別」というお話をたびたび伺います。マキエさんはどう思われますか?

マキエ:そうですね、一生同じだったら素晴らしいでしょうけど、難しそうですね。遺伝子レベルで継続しないものだという説もありますし、セックスは生活と結びつかない方が楽しめますね。ウチも結婚前は、お互いにしたいこと、したくないことをオープンに話しながら楽しんでいました。

−−− セクシャルなことを楽しんでいらしたんですね。一般的には、夫婦こそ、そういうことは口に出しにくかったりしますよね。

マキエ:好奇心が強かったんでしょうね。それに夫は、性的なことに対して、こうじゃなきゃ、ああじゃなきゃという固定観念がないのだと思います。

−−− 男性は意地やプライドがあるから素直になりにくいとも聞いたことがありますが、旦那さまは無用なプライドを持たない方なんですね。

マキエ:ないですね。多くの男性は、イかせないといけないみたいな意地なのかプライドなのかわからない固定観念があって、それがめんどくさいのですけど、夫に関してはそういうことはあまり感じません。

−−− カッコつけずにコミュニケーションを取れる、素敵なご関係ですね。

マキエ:私自身もセックスに対して「こうでなきゃ」ってあまりないので、お互いにハードルが低いというか、壁がないのかも。性的なことも、そんなに特別なものとして捉えていないのかもしれませんね。



早熟だった子ども時代。
性の先生は、家の本棚だった


−−− マキエさんの性をフラットに捉える感覚は、どこで育まれたのだと思いますか?

マキエ:いちばん影響を受けたのは、子どもの頃、家にあった本棚だと思います。特に、アポリネールという詩人の詩集は印象的でした。彼は画家のマリー・ローランサンと恋仲にあった人ですが、ローランサンと破局した後にマドレーヌ・パジェという女性に向けて書いた詩があるんです。そのなかの一節に、「あなたの肉体の9つの戸口」と称して、両目、両耳、鼻の穴、口、と描写していくくだりがあるのですが、最後に「私が知らない戸口がまだ2つある」と続いていくんですね。私は、そこで初めて、女性には排泄をする以外の穴があるということや、肛門までもが性愛の対象になり得るということを知りました。「大人になるって恐ろしい…」と感じた、性の目覚めでしたね。

−−− 何歳くらいのお話ですか?

マキエ:たぶん10歳くらいです。

−−− 早熟なお子さんだったんですね!

マキエ:いま思えば、中学生の頃から、性的な悩みを打ち明けられることも多かったですね。いわゆるカタブツな生徒会長までが、私に相談しに来たり。

−−− 中学生にして、早くも“性の伝導師”といったムードを醸し出していたんでしょうか(笑)?

マキエ:そうですね〜、私は生意気な中学生だったので(笑)、自習の時間があると「セックスとは?」と黒板に書いて、みんなに説明したりしていましたから。

−−− セックスの知識もご自宅にあった本から?

マキエ:そうです、そうです。もちろん当時は、本物の男性器なんて見たこともなく、男性器や膣の構造、性交のやり方などは、同じ本棚にあった百科事典で学びました(笑)。

−−− 百科事典はもとより、性的な記述のある本も手の届く場所に置かれていたということですね。ご両親から性教育を受けた記憶はありますか?

マキエ:性教育を受けたり、両親と具体的な話をすることはありませんでしたが、父が少々、女関係の面倒くさい人で(笑)。母が文句を言っているのを横目で見ながら、男女の機微を感じ取っていたところはあったかもしれませんね。