先日、soup stock tokyo 主宰の「おいしい教室」で、日常の花ー特にテーブルの上の花ーについてのワークショップをしました。

 

「花のある生活」というと、ゆとりある丁寧なイメージを想起させて是非取り入れたいと思う一方、そんなにいつも花を買うのはお金がかかりそうとか、花器(花瓶)がないとか、どんな風に活けたらいいかわからない、というご相談をいただくことも多いです。

確かに、よそ行きの、つまり人に見せる(楽しませる)ためのテーブルセッティングや花のあしらいは、多少の知識やセンス、労力が必要です。

けれど、日常の、自分や家族や仲の良い友人たちの心を潤す日常の花というのは、もっとささやかで私的なものでよいと私は思っています。

例えば、私は自宅の食卓に飾る花は、購入してもせいぜい2-3本、500-800円程度です。
それを毎朝水を替えて、時々茎の下の方を切って水揚げをしてやると1週間程は楽しめます。それ以外に、テラスにある鉢植えのオリーブやレモン、ローズマリーの枝を剪定したものをコップにさすこともあるし、ムスメが拾い集めてきたドングリや松ぼっくり、落ち葉を器に並べてテーブルに飾ることもあります。

 

花器に関して言えば、好みの花器があればそれに活ける花を選ぶ楽しみがあるのはもちろん、例え花器がなくてもコップや食器など手持ちのものを使って自由に活けるのもステキです。

洋の皿やガラスだけでなく、和の片口などに大きな花を首をもたげるように活けてもいいし、何度も水揚げをしていよいよ茎が短くなってきたら、いっそのこと少しバラして平皿に散らした姿も美しいと思います。

 

花もまた野菜や魚をなどと同様に季節とともに変化する生きもの。季節の移り変わりを教えてくれる存在です。

テーブルの小さな花はささやかでもたくさんのことを教えてくれます。

(この記事は2018年12月9日時点の情報です)