グリーンのガラスの花器は、ベルギーのヘンリーディーンのもの。

先日、テレビの収録があり、フラワーアーティストの田中孝幸さんと対談しました。さまざまな企業やブランドと組んで、花を使ったプロジェクトを手がけている田中さんに、花を活けるとき、いちばん大切にしていることは?とお聞きしてみました。「一輪の花を手にしたとき、この花の命をどうやってまっとうさせようか」と思うんです、と田中さん。花の命をまっとうさせるーーその言葉は、とても深く残りました。

花に限らず、野菜も果物も全ては命。その命をどう扱うかは、日々の中で、あらゆることに通じることなのだと思います。自分はひとつひとつに丁寧に向き合えているだろうか、と問いかけずにいられませんでした。

収録の終わりに、田中さんがこれを、と花束を用意していてくださいました。八重咲きのピンクのチューリップと、八重咲きのサーモンピンクのカーネーション、そしてグリーンが少しだけ。自分では思いつかない組み合わせです。家に帰って、1本ずつ水切りをし、淡いグリーンのガラスの花器に活けました。楽しませてくれてありがとう、と心の中で声をかけながら。

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【下田結花のブログ】
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