〈最盛期〉2000年〜2009年
特撮ヒーローがイケメンぞろいに
平成最後の暮れに“平成のイケメン”を振り返る企画、第2回は早くも<最盛期>です。21世紀の前年・2000年あたりから「イケメン」というワードが、新聞や雑誌にちらほら登場するようになります。
たとえば、02年3月6日発売『Hanako』では、「ハシャぎたい気持ちはお子ちゃま以上!? 特撮の新イケメン登場」、同じく02年5月28日発売『週刊朝日』には「イケメンW杯—世界から集まったこの選手たちに注目」、11月26日発売号では「ママたちが夢中のイケメンヒーロー」という記事が掲載されていて、11月発売の『日経トレンディ』では「03年のキーワードーヒットの潮流はどう変わるか」で「癒し」「睡眠」「腸内洗浄」と並んで「イケメン」が挙がっていました。
なんといっても、00年から「平成仮面ライダー」として再スタートをきった「仮面ライダーシリーズ」(テレビ朝日)が“イケメンの時代”を切り開いたといっていいでしょう。このシリーズは誰が呼んだか【イケメンライダー】の異名を持つようになります。本来男児対象の番組が、週刊朝日の記事「ママたちが夢中」とある通り、子供と一緒に見るママの心を捉えるという、目からウロコ商法が大当たりしたわけです。
ざっと挙げますと、「仮面ライダークウガ」(00年)オダギリジョー、葛山信吾、「仮面ライダーアギト」(01年)賀集利樹、要潤、「仮面ライダー龍騎」(02年)須賀貴匡、松田悟志、弓削智久、「仮面ライダー555」(03年)半田健人、綾野剛(ただし、ライダーではなく敵側)、「仮面ライダーカブト」(06年)水嶋ヒロ、「仮面ライダー電王」(07年)佐藤健、「仮面ライダーキバ」(08年)瀬戸康史、「仮面ライダーW」(09年)桐山漣、菅田将暉、「仮面ライダーフォーゼ」(11年)福士蒼汰、「仮面ライダー鎧武」(13年)高杉真宙、「仮面ライダードライブ」(14年)竹内涼真、「仮面ライダーゴースト」(15年)磯村勇斗……といま見るとかなり華やかなOBたちです。全員あげらなくてごめんなさい。
さらにライダーと並ぶ男児のヒーロー番組「スーパー戦隊シリーズ」も若手俳優の登竜門になっていて、「侍戦隊シンケンジャー」(09年)松坂桃李、「天装戦隊ゴセイジャー」(10年)千葉雄大、「獣電戦隊キョウリュウジャー」(13年)竜星涼、「烈車戦隊トッキュウジャー」(14年)志尊淳、横浜流星などがやっぱりママにもヒーローとして活躍しています。
平成のライダーと戦隊が摑んだ新たな顧客・ママと相性がいいのが主婦を対象にしたNHKの朝ドラで、ライダー、戦隊出身者が平成の朝ドラヒロインの相手役になります。「カーネーション」(11年)で綾野剛(道ならぬ恋ですが)、「梅ちゃん先生」(12年)「わろてんか」(17年)で松坂桃李、「あまちゃん」(13年)で福士蒼汰、「ひよっこ」(17年)で竹内涼真(実らぬ恋でした)、磯村勇斗、「半分、青い。」(18年)では佐藤健……、相手役ではないけれど、要潤、須賀貴匡、菅田将暉、千葉雄大、竜星涼、志尊淳……たちも朝ドラを彩る傾向が10年代以降、目立ってきます。それは転換期のお話。
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