ドラマに映画、CMと活躍の幅を広げている俳優の千葉雄大さん。今年は海外でも作品が観られるようになり注目度を上げ、先日、上海で海外初のファンミーティングが開かれました。今回はそのイベントに密着。日々忙しい中で、思うことを伺いました。

千葉雄大 1989年3月9日生まれ、宮城県出身。ドラマ、映画、CMにと幅広く活躍。最近の主な出演作はドラマ『プリティが多すぎる』、映画『帝一の國』『兄に愛されすぎて困っています』、『亜人』、舞台『危険な関係』、映画『スマホを落としただけなのに』など。

主演を務める連続ドラマ『プリティが多すぎる』が今、中国でも大人気の千葉さん。12月20日(深夜1:59~)に最終回を迎えるタイミングに合わせ、上海市内でファンミーティングが行われ、会場には中国各地から参加した450人のファンが集まりました。イベント直後に千葉さんに率直な感想を尋ねると……。

「初期の作品から、最新作まで、僕が出演するものを見続けてくださっているファンの方が温かく迎えてくれました。言語が異なるのに、僕がお酒好きであることや腹黒いと冗談めかしているところまで、人となりを知ってくださっていて、その上で、好きでいてくださっていることもわかって。応援してくれている気持ちが伝わってきたことが何より嬉しかったです」

イベント中、ハグやハイタッチで、ファンの要望に応えている場面も。「初めての海外ファンミーティングということで、ひとりひとりのファンの方とできるだけ接する時間を作ろうと心掛けました。日本でも海外でも、たとえ時間に限りがあっても、ファンの方とコミュニケーションを取ることを大切にしています。今回、日本から追いかけて来てくださった方や、おひとりで参加されている方もいらっしゃいました。心細い部分もあるだろうに、僕のために来ていただいて、本当にありがたいです。」

そんな感謝の気持ちを少しでも伝えようと、日本語だけでなく、英語や中国も使いながらファンと接している千葉さんの姿もありました。「中国語はなかなか難しいのですが、これからもっと勉強したいと思っています。今年はこうして海外に行かせてもらう機会をたくさんいただき、改めて思うのは言語の大事さです。ここ上海でも、10月に訪問したカンヌでも、英語だけでなく、日本語や中国語も話せる方を目の当たりにして、語学を勉強したいという気持ちがどんどん高まっています」

今年はアメリカ、フランス、エジプト、上海と4か国で仕事の機会に恵まれた千葉さん。プライベートでも海外旅行は趣味のひとつです。「今年はプライベートで海外に旅行することはできなかったのですが、カンヌの帰りにエズやモナコに足を運ぶことができました。丘からの見晴らしがとても素敵で、個人的に泊りにも行きたくなりました。アジアも好きです。今回の上海は初中国でした。ほかにも台湾や香港、韓国にも行ったことがないので、ぜひ行ってみたいです。ずっと留学したいと思っていたイギリスにもいつか行きたいです」

ベビーフェイスゆえに「かわいい」と言われることも多く、それが愛されキャラクターとして人気を集めている理由のひとつにあります。そんな千葉さんも来年3月には30歳の節目を迎えるということで、イベントでは「色気のある役をもっと見てみたい!」とファンからそんな声も上りました。

「これまでは内に秘める役が多かったので、感情の喜怒哀楽をはっきり出す演技が求められる役にも興味を持っています。もちろん、大人のイメージを醸し出す色気のある役もやってみたいですが、限定はしたくない。アマノジャクなところもあるので、求められるものだけを選んでいては、需要と供給だけになってしまうから。求められることのさらに上をいけるような仕事をしていくことも必要だと思っています」

1月クールのドラマ『家売るオンナの逆襲』をはじめ、次々と出演が決まっている千葉さんですが、演技の幅を広げるために新たに挑戦したいこともあるそうです。「アクションやピアノなどお芝居以外に身に付けたいこともあります。お芝居する上で、必ずプラスになる部分もあると思うからです。どんどん怖がらずに挑戦したい」

そして、大人の男性として、役者として、さらに磨きをかけたい気持ちも高まっていて……。

「仕事に集中していると、目先のことに囚われてしまって、先のことがみえにくくなります。それでも、活動の幅を広げるためには吸収する時間が今、必要だと思っています。語学留学など、海外に行くこともひとつの選択肢にあるのかもしれません。また海外に行くたびに、自分にはまだまだ知らないことがたくさんあることに気づかされます。海外で訪れた先の歴史も、そして日本の歴史さえ、よくわかっていない時があります。学生の時になんでもっと勉強しなかったんでしょうね。学生の頃の僕に会えたら『もっと勉強しろ!』と伝えたいです(笑)。でも大人になっても、学ぶことはできるもの。知的好奇心や勉強欲が強くなっている今こそ、やるべきことだと思っています。時間が足りないんですけどね(笑)」

今回の上海は千葉さんにとって、またひとつ貴重な体験を重ねることができたよう。「ドラマの撮影中は没頭してしまいがちですが、必ずその先にはいつも、見てくれている人がいます。ファンの方と触れ合うことができるイベントをやらせてもらうと、忘れちゃいけないことだって、改めて思わされます。そして、海外でも見てくれている人がいることにも気づかされました。どんどんファンを増やしていけるように、日本だけでなく、海外にもアピールをしていきたいです。ファンの方が今回の上海のイベントに参加してくれたことを誇りに思ってくれるように、もっとがんばっていきたいです」

最後に、「海外も視野に入れて活動を続けていきたいです。カンヌ映画祭でレッドカーペットを歩くことなどいろいろな目標があります。まずは英語をがんばります(笑)」と、決意を笑顔で語ってくれました。

「かわいい」だけではなく、芯の強さもみせてくれた今回のイベント。国内外で活躍する場を広げ、自分のスタイルを確立していく大事な時であるようです。

取材・文/長谷川朋子
構成/片岡千晶(編集部)