こんにちは。ミモレの川端です。
今年も残すところあと2日。毎年恒例、お待ちかねの“バタやんのベストブック2018”の発表のときがやってきました!(待ってなかった? あれ?)。私の中で20年近く続く毎年恒例なので、なにはともあれ発表いたします。お掃除のひと休みに、年始のヒマなときに読んでいただけたら嬉しいです。
まずは文庫編から。
文庫編のエントリールールは、今年2018年に発売になった文庫、あるいは、今年映画化・ドラマ化などがされた原作の文庫とします。(基準が厳密なのか甘いのか、どっちやねんって・汗)いま書店の文庫コーナーの目立つところにきっとある!くらいのものからチョイスしたいと思います。
第10位は、
本城雅人さんの『ミッドナイトジャーナル』

「大誤報をやらかす」というのが物語のキーになっているのですが、作者の本城さんが新聞記者出身ということもあり、スクープを取りたい気持ちと危ない橋を渡っちゃいけないせめぎ合い、社内事情などがリアル。話の展開もスピーディ。推理小説ではありますが、記者としての矜持と会社組織の不条理、お仕事小説としても読み応えがあります。
第9位は
湊かなえさんの『ユートピア』

湊かなえさんは『ポイズンドーター・ホリーマザー』も今年文庫化されたのですが、どちらかというと『ユートピア』のほうが余韻が強烈でした。
障害を持つ小学生の女の子のために地元の母親たちがボランティア基金「クララの翼」を設立します。些細なことから価値観の違いなどがあらわになり、次第に彼女たちの関係は軋み始め、ある事件が起こります……。「誰かの役に立ちたい」というエゴと地方の商店街の閉塞感が嫌というほどねっとりと描かれた、湊かなえさんの“お家芸”が存分に堪能できる作品です。
陶芸家のすみれさんのキャラクターの描き方など嫌汁たっぷりで。ボランティアの集まりって仕事より人間関係が大変だよねぇ〜と。ツラいツラいツラい!もうやめちゃいなよ!とつぶやきながら読んでください。
第8位は、
ピエール・ルメートルの『炎の色』

『天国でまた会おう』三部作の第2弾、ということなのですが、『天国で〜』は私、未読なんです。でも『炎の色』からでも楽しめました。
舞台は、1927年のパリ。1930年代に向かって、隣国ドイツはナチスが台頭し、新しい戦争の気配がヨーロッパに漂っています。
メインは女性が主人公の復讐劇ですが、残虐な描写は控えめ。1920〜30年代の上流階級の家庭の悲喜こもごもが覗き見られて、少女漫画的な楽しみ方ができました。ぜひ漫画化してほしい!
第7位は、
誉田哲也さんの『ルージュ: 硝子の太陽』

姫川班は、祖師谷で起こった地下アイドルをしている女性とその一家が惨殺される事件を捜査するうち、30年以上前の一家殺人事件との類似性をみつけます。過去の事件が迷宮入りとなった原因には、元米軍が関与していた可能性がチラついて……。
単行本で読んでいた際、アイドルがファンの男性に切りつけられるという事件が実際にあり、恐怖感を持って読んだ記憶があります。
姫川班も年齢を重ねてきていて、そんな変化とチームワークも見どころです。竹内結子さんで早く映像化して欲しいなあ。
第6位は、ノンフィクションのジャンルから
山口周さんの『劣化するオッサン社会の処方箋 なぜ一流は三流に牛耳られるのか』

日大アメフト部監督による暴行指示、森友・加計問題、日本ボクシング連盟会長……etc.
今年の“悪いオッサン”総ざらい!
なぜそうなってしまったのか、納得感のある分析で、膝を打つような快感がありました。
でもなんかこうNewsPicks的な男社会のマウンティングの気配(オレは劣化もしていないし、オッサンではない、と思いながら読むのかな)みたいなものを感じてしまいました。著者にはやはり美意識とか、美徳、哲学、絵画や西洋の歴史などを語ってもらう方が好きだな〜。
ゼーハー、ちょっと息切れしてきました・・・が、次ページへ続けて休まず行きます!
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