東京・池袋にある「かぶと」でのうなぎ体験、ようやくスタートです。初めてのお客さんは、焼き場のまん前4席に案内されます。これがうわさの“灰被り”特等席らしい。最初に早口で説明を受けます。

●今まで食べてきたうなぎと、うちの養殖モノの違いがわからないうちは、天然モノは出さない
●うなぎは蒸さず、さばきたてを焼いて提供するよ
●うちの山椒は特製だけど、まずは山椒なしで食べてくれ。それでも山椒がほしかったら、お代はいらないから帰ってくれ
●自慢のやっこは藻塩で食べてくれ、糠漬けもうまいんだ。おすすめだよ
●よろしければ、おまかせでひと通り食べてほしい

はい。腹ペコなので、一切合切おまかせします。

最初に出されたのは、えり焼き。ひとくちいただいて、「おいしいいいいい♥」とうなっていると、「こんなのはクソだ! これじゃだめだという見本だ!」と大将。まさかのトラップでしたw。
※みなさま、最初のひと串は、いくらおいしく感じても、ひたすらクールに無反応で。

日本酒もかなりこだわっている大将。注文すると「冷かい? 燗かい?」。冷をお願いすると「日本酒を冷で飲むやつはバカだ!」と叱られ、「そうしたら、燗で・・・・・」とおすすめに従うと、ここでテストが出題されますw。お猪口を2つ並べ、「1杯目と2杯目の違いがわかるか?」と熱燗を注ぐ大将。温度の違いとか? 「バカやろう! 料理、全然してないな!」・・・・・・図星です。さて、みなさんはピンと来ましたでしょうか。
※1杯目には燗して浮き上がった灰汁が入っています。2杯目以降は灰汁がありません。

  • ここのうなぎによく合うと評判のくくみ酒。
  • お弟子さんがすごい速さでうなぎをさばき、串を打っていきます。瞬殺ってこういうことなのですね。
  • 灰も煙も熱気もすごいけど、ライブ感満載の特等席。さりげない目配り、気配りは、さすが大将です。それにしても火の前は暑いだろうなぁ・・・・。

そのとき、隣グループの女性が説明を聞き漏らしていたのか、串焼きに山椒を振りかけてしまいました。それを見逃さなかった大将。

「まずは山椒を使わず、うなぎそのままを味わってくれよ。頼むよ。
それがいやなら、とっとと帰っっってくれ!!!!」


しーーーんと静まり返る灰被り席のメンバー。高まる緊張感。そして、我関せずの奥にいる常連さん達。でも、次々に串が焼きあがり、大将も私たちも目の前の事で大忙しに。ふと見上げたらお品書きに「肝わさ」とあり、気になって注文したところ、最後の1人前だったよう。ラッキーです。ポン酢とオニオンスライスでさっぱりとして、箸休めにぴったり。
※いろいろ聞くと、忙しいながらもちょっとうれし気な大将。 でも何が逆鱗に触れるかがつかみきれないので、いちかばちか。負けないで!

  • 串だけでもいろんな種類、塩味、タレ味を出してくれます。うなぎって、本当に捨てるところがないのね。
  • まだ動いている心臓。「このまま、かまずに飲み込んで」と大将。元気になれそうです。
  • これが肝わさ。ぷりぷりの大きな肝がいっぱい入っていました。何匹分なのでしょうか?

この後も、尻尾の串焼き、ぴくぴく動いている生の心臓、ふっくらと膨らんだ香ばしい白焼き、秘伝のタレじゃないのにすっごくおいしい蒲焼き、ご飯と肝吸いがついて、この日はひとり約1万円。もっとするかと思ったほどのボリュームと新鮮なおいしさに感動しました。
※待たされずに、すぐスタートしたいなら、5時台の予約がおすすめ。7時台は2順目になります。

蒸さずに焼くだけ。ふっくら盛り上がっているのが、おいしさの証しだそう。2種類の塩でいただきます。わさびをくださいと言った瞬間、追い出されるに違いありません。
最後は蒲焼きで。トータルでうなぎ2匹以上を食べたことになる、超満喫コースでした。

いろんな意味でおなかいっぱいになったのに、早くも大将に会いたくなっている自分を発見。

大将、私のバカ舌が忘れないうちに
ぜひ天然ものを食べさせてください。

かぶと
東京都豊島区池袋2-53-2
03-3983-8608