ニットのおばさん見え解消のカギは、サイズ選びとボトム合わせ
ニットとシャツのレイヤードが古くてほっこり見えるという話をスタイリスト川上さやかさんに教わりました。では、大人体型になるとニットそのものがほっこりおばさんっぽく見えてしまうというお悩みはどのように解決できるのでしょうか? 川上さんに教わります。
川上さやか流 ほっこり見せないための簡単着こなしテクニック
ニットにキレのよさを加えるツヤ&とろみ素材のボトムを合わせるのが基本
「丸みのある大人の体型を拾いやすく、ふんわりとやさしい印象になりやすいニット。着こなしは、とにかくキレやメリハリを加えることがいちばん大事です。そのための簡単な方法は、ツヤやとろみのある素材のボトムを合わせること。上のコーディネートの場合は、微光沢のあるシルク素材のとろみパンツを合わせています。これだけで、ウォーミーな素材感のニットとのメリハリが生まれます。ほかには、最近豊富なサテンスカートも使いやすいと思います」
バングルやスタッズ付きバッグでキレよく仕上げて
「ボトムの合わせだけでなく、アクセサリーやバッグなども辛口でエッジのあるものを選ぶようにしています」
ほっこり見えにくいニットの選び方
ポイント1.色味
NG エクリュやベージュなどの淡い色
「上品な色味は好きなのですが、30歳を過ぎて、ほっこり感を意識するようになってからは、どんどん着る機会が減ってしまいました。淡い色が“やさしそうでほっこりした人”という印象になってしまうと感じています」
OK 黒、ネイビー、こげ茶などの濃い色
「コーディネートにあれこれ悩まずに、ほっこり見せないようにするならば、引き締め効果のある濃い色を選ぶのが簡単です」
ポイント2.サイズ感
体のラインが出るジャストサイズ
「ジャストサイズのニットは、体のシルエットがあらわになるだけでなく、古くさい印象に見えてしまいます。古い=ほっこりにつながるので、今は避けたいサイズ感です」
体が泳ぐゆとりのあるサイズ
「今ニットを着るなら、必ずゆとりのあるサイジングのものを選ぶようにしています。トレンドアイテムには積極的ではないタイプですが、その時代の“ムード”はちゃんと取り入れて、更新していくようにしています。ジャストサイズではなく、あえて少し大きめを選ぶことが、“脱ほっこり”につながり、おしゃれに見えると思います。ちなみに、私が着ているスローンのニット。私にジャストなのは、サイズ1だと言われたのですが、ひとつ上のサイズ2を選びました」
ちなみに、
メンズのニットでも、ゆとりのあるサイズ選びが叶います。
「ゆとりのあるサイズ感を叶えるためには、ウイメンズでサイズを上げる以外に、メンズサイズを活用するという方法もあります。ウイメンズのLを選ばれている方なら、メンズのXSやSを試してみてください。メンズニットは、そもそもほっこり見えるかわいらしい色味がないので、このようなきれいな色味も楽しみやすいという利点もあります。ちなみに、メンズの厚手のニットの場合は、肩がしっかりしすぎていることがあるので、ハイゲージに絞って探すのがコツです。ネックラインが地厚なつくりでもスポーティになりすぎるので、すっきりしたものを選んでください。私が着ているこのニットは、御殿場のアウトレットて見つけたもの。メンズのXSやSは多くの男性には小さく残っていることが多いので、狙い目でもあるんですよ」
メンズのXSサイズのニットはこんな風に着こなします
「メンズものならではの、ハンサムな色出し&体が泳ぐサイズ感のニットならば、全身を淡めの色でまとめたり、デニムと合わせても、ほっこり見えづらいんです」
ほかにもこんなメンズニットを活用しています
「メンズのニットは、ウイメンズの服を見ているときにたまたま発見するのではなく、もともと、メンズの小さいサイズのよいものを見つけたいという意思で探しています。クルーネックだけでなく、ボトルネックも女性には使いやすいですよ」
スタイリスト/川上さやか
ヘア&メイク/桑野泰成(ilumini.)
構成/高橋香奈子
第1回「ほっこり&太って見えそうなボアコートに物申す。その正解は?」はこちら>>
第2回「ニット×シャツは古い! “脱ほっこり”な今どきレイヤードって?」はこちら>>
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PROFILE 川上 さやかさん
スタイリスト。大手金融会社のOLからスタイリストに転身した異色の経歴の持ち主。シンプル&ベーシックな中にも上品な女らしさが光る、リアルな通勤コーディネートが人気。身長154㎝。instagram:@sk_120