富士山のふもとに位置する静岡県御殿場市は、車で約2時間と都心からのアクセスがよく、また大型アウトレットがあることからその名をご存知の方は多いはず。けれど、実は美しい湧き水に恵まれた農業が盛んな町であることはあまり知られていないのではないでしょうか。
今回はそんな御殿場で、編集部・柳田が“週末田舎暮らし”を体験。美味しいものいっぱい、人と自然に癒やされる御殿場の魅力をご紹介します!
御殿場は富士山からの“湧水”が流れる美しい水の郷
二つの水源からなる御殿場の湧水は、冬の間、富士山を真っ白に染めていた雪が春になって解け、地中にしみ込み、気が遠くなるほどの長い年月をかけてふたたび湧出してきたもの。しかも湧水地に到達するまで一度も地面に表出せず、一切空気に触れないおかげで水質は抜群。このような湧水は、世界的に見ても非常に珍しいのだとか。飲んでよし、料理によしの美味しい水として知られており、この水を汲みにわざわざ他県から車で訪れる人も多いそうです。
柳田コメント
生まれて初めて見るわさび田に感動! 湧水地を訪れたのも初体験でした。数メートルもの水深があるとはわからないほど透明で、水草がゆらゆらと揺れるさまが本当に美しかったです。これほど水に恵まれた土地なら、農業が盛んなのも納得ですね。
気軽に田舎暮らしを体験! 農家民宿「松の葉」さんへ
お母さんの手作りごはんに心もおなかもほっこり
夕食は近隣のお店でいただくこともできますが、せっかくなら食事でも“田舎暮らし”を満喫したい。ということで、今回は「松の葉」のお母さんと手作りで夕食をいただきました。(農家民宿の食事は共同調理です)
自家製こんにゃくはそのままで刺身代わりに、裏山で獲れる自然薯、自慢の手打ち蕎麦には、湧水で育てた新鮮な生わさびを添えて。御殿場の地のものをふんだんに使った、素朴で体に優しく、都会では食べることのできない品々が並びます。
柳田コメント
どれもしみじみとした美味しさ。こういう食事をいただくと、普段いかにヘビーなものばかり食べているか気づかされますね。とはいえ品数が多いので、男の僕でもしっかりお腹いっぱいになりましたよ! 食後は朝早い翌日に備え、お風呂をいただいた後は早めに就寝。こんな時間はいつぶりだろうというくらい、ゆっくり寛ぐことができました!
御殿場は朝が面白い! 早起きして湧水汲みへ
2日目は少し早起きして、朝7時に集合。松の葉さんから車で数分の「二子湧水」へ。朝ごはん用の水を汲み、水かけ菜の緑が美しい水田など、周囲を散策。
その時に教えていただいたのは、御殿場が知る人ぞ知る米どころ、ということ。収穫量こそ多くないものの、きれいな水と昼夜の寒暖差のおかげで非常に美味しいお米がとれるのだとか。お米の美味しさを測る基準である「食味値」も全国トップクラス、名だたるブランド米にもひけを取らない数値なんだそう。それをかまどで炊いて美味しくないはずがない……。炊き上がりを待つ間にも期待が膨らみます!
かまど炊きご飯で究極の卵かけごはんを!
こんもりとした黄身の盛り上がりだけでその新鮮さがわかる卵は、松の葉さんからもほど近い杉山養鶏場の「さくら玉子」。くさみのないすっきりとした味わいで、「昔ながらの卵の味がする」と遠方からわざわざ取り寄せる方も多いそう。ともに並ぶヤマメの甘露煮、お漬物といったおかずも、心なしか東京で食べるよりも味わい深い。炊きたてごはんの美味しさを心ゆくまで堪能できる、まさに究極の朝ごはんです!
柳田コメント
この卵かけごはん、本当に美味しかった……!! おかずもどれも美味しくてついつい3回お代わり、さすがに食べ過ぎでその後の取材がつらかったです(笑)。かまどの火を眺めながら炊き上がりをのんびり待つ時間も、なんだかすごく贅沢でした。この朝ごはんのためだけでも御殿場に行く価値があると思います!
今回お世話になったのは……
松の葉さん
かまど炊きの「ごてんばこしひかり」、産みたての「さくら玉子」でいただく“究極の卵かけごはん”は感動の美味しさ!季節によって餅つきや漬物づくり、通年では蕎麦打ち体験など、オプションのプログラムも豊富です。
御殿場市二子284-3
・ねこふくろう
地元で有名なお菓子名人のお母さんと、米粉シフォンケーキ&ジャム作りも楽しめます。
御殿場市二子339
・ごろり庵
広~いお宅で農家暮らしを疑似体験。畑仕事をお手伝いした後は、縁側でのんびり寛いで。
御殿場市二子63-7
富士山に育まれた美しい水とここだけの味覚、親戚の家にお邪魔したような寛ぎとぬくもり。1泊から行ける気軽さも魅力の御殿場農家民泊で、新しい週末の楽しみ方を体験してみてはいかがでしょうか。
続くレポート第2弾では、農家民泊で楽しめるおすすめプログラムのほか、地元の人に教えてもらった富士山絶景スポット、御殿場に来たならぜひ味わって帰りたいグルメ情報を紹介します。どうぞお楽しみに!
お問い合わせ先/梅の屋旅館
tel. 0550−87−0032
取材・文/山崎 恵
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