ベストセラーになり、引き続き売れ続けているという『ファクトフルネス』。お読みになった方もいらっしゃるかと思います。
「世界はどんどん悪くなっている」というネガティブ本能、「誰かを責めれば物事は解決する」とする犯人探し本能など、本書では人の思考はさまざまな本能が作動し、形成されていることを軽妙、かつ赤裸々に暴いていきます。
ふと現実に目を向け、昨今のSNS炎上ニュースをいくつか思い出すだけでも、それはとても深く納得することができます。そして、情報を発信する立場である我々メディアも、そういう人間の性質を利用しようとしすぎていまいか……。
一個人としても、それらの抗えない本能を自覚し、自分が知らず知らずのうちにかけてしまっている色眼鏡を意識してはずす努力を忘れないように。「(無知よりも時に脅威となる)先入観」をもたず、事実をニュートラルに受け止められるように。心の襷をキュキュッと締め直そうと、改めて。読了後にそう思えた一冊でした。
そして、帯にビル・ゲイツさんのエピソードが書かれておりますが、新しいビジネスを模索している方、それに行き詰っている方は、今までの視座がガラリと変わるので、ご一読を特にオススメいたします!
本書では、最初に13問の問いが出てきます。
【質問】現在、低所得国に暮らす女子の何%が、初等教育を終了するでしょうか?
【答え】A.20% B.40% C.60%
【質問】世界で最も多くの人が住んでいるのはどこでしょう?
【答え】A.低所得国 B.中所得国 C.高所得国
【質問】世界中の一歳児の中で、なんらかの病気に対して予防接種を受けている子供はどれくらいいるでしょう?
【答え】A.20% B.50% C.80%
などなど。
ちなみに、私は、あまりの正解率の低さに苦笑いするしかありませんでした。答えは是非、本書でお確かめください!
著者のハンス・ロスリング氏のTEDの講演も要チェック!
今日のお品書き
「できることなら、手ぶらで歩きたい!」と思うほど小荷物主義の私ですが、なかなかそうはいかないものです。白澤さんの記事を読み、「用と美のバランスにこそ知性は宿る!」と改めて肝に銘じ、荷物とバッグの関係を再構築したくなりました。
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