パリジェンヌ&パリマダムに学ぶ「黒」の着こなし
パリには年齢を超えて自分に似合う服を当然のように着こなすおしゃれな女性が溢れています。ミニマルでプチプラなアイテムも上手に取り入れながら、親から受け継いだものやヴィンテージショップを上手に使うパリジェンヌ。そして、上質なものをさり気なく取り入れる知性をもち、今の自分に似合う服をいつまでも楽しんでいるパリマダム。
彼女たちはともに定番アイテムが好き。決してトレンドに振り回されることなく、少ない定番服を上手にきこなしています。そう、彼女たちは着まわしや見せ方が上手い。トレンドはちょっとだけ香らせる程度。毎年、服を数多く買わなくても、少ない服でおしゃれが楽しめる!と教えてくれます。
今回は、フランスに留学した経験もあり、『THE FRENCH STYLE BOOK カジュアルで女性らしいパリジェンヌな着こなし』という著書があるくらいパリのおしゃれスタイルに詳しいスタイリストの福田麻琴さんに、パリジェンヌとパリマダムがおしゃれに見える理由と、それぞれの特徴について聞いてみました。
「パリの人々は自分のおしゃれに哲学を持っています。
それは若者でも同じ。似合う服や色を十分に理解。
また、消費文化と正反対のお祖母様、お母様から
受け継ぐ文化を大切にしています。
パリジェンヌも、パリマダムも、
服に、ジュエリーに、小物に、ストーリーがあるのです」ー福田麻琴
from Pinterest
彼女たちの代表的な装いをお見せします
パリの女性は「定番のおしゃれ」を「自分流」に楽しんでいます!
まずパリジェンヌとパリマダムの装いの特徴を見ていきましょう。
パリジェンヌ
・パリジェンヌは「トレンド」より「定番」。
・誰もがボーダー、ライダースジャケット、トレンチコートを自分流に着こなす方法を知っています。
・今も10年前も、もっと昔も変わらない、シックでシンプルな飾らないテイストをこよなく愛しています。
パリマダム
・パリマダムはどんなときも女らしさ、エレガントさを漂わせています。
・体型が少しばかり崩れてきても臆することなくファッションを楽しんでいます。
・若者が持つよりもずっと似合うことを知っている彼女たちはクオリティの高い小物や素材の服を優雅に着こなします。
パリジェンヌ&パリマダムの「黒」の着こなしをご紹介!
パリジェンヌとパリマダム。その「黒」の着こなしを見ると、おしゃれスタイルの違いがよりよく分かります。福田麻琴さん自身が着用して見せてくれましたが、そこにはすぐに真似したくなるおしゃれのヒントがたくさん詰まっています。
パリジェンヌ
黒の着こなしは、とことんミニマルに
シンプルなTシャツに黒やグレーのスキニーパンツ、そしてライダースを羽織るスタイルは、流行に無縁の定番セット。シンプルなスタイルだからこそ、自分を知ることが重要。似合うパンツやライダースのシルエットを吟味して自信のもてるアイテムを選びます。
自分に似合う「赤」も欠かせません
小物も「黒」にすれば間違いナシ
「黒」の着こなしに欠かせないのは、実は「赤」。パリの女性は若い頃から自分に似合う「赤」を知っているのです。その時によって、肌馴染みや髪の色に合った赤は変化していくものだからこそ、常に似合う赤を観察。そして口紅は外出時のマナーと考えているそう。もちろん香水だってマナーです。
それ以外は、小物まですべて黒で統一。これで飾り気のない、でも意思のあるシンプルスタイルが完成します。
パリマダム
どこかに品格を加えた黒スタイル
ともすると、寂しそうに見えたり、地味なイメージにもなってしまうのが「黒」。反面、ハンサムにも女っぽくもなれる色です。マダムたちは黒を上質な素材で優雅に着こなします。キャメルやペールトーンの柔らかなトーンも良いけれど、大人の女っぽさは黒が表現することを知っているのです。
首もとには必ずスカーフやジュエリーを
ハイブランドのバッグはマダムの証
顔映りを考えて首まわりには自分の肌に合ったジュエリーやスカーフをあしらうのがマダム流。また、ハイブランドのバッグを若者が持つと、頑張っている感が漂い、居心地の悪さを感じますが、マダムになればスッと全身に馴染むもの。「年齢に合わせたファッションがある」ことを体現しているのが、パリマダムたちのファッションです。
モデル・スタイリング/福田麻琴
ヘア&メイク/TOMIE(nude.)
文・構成/金沢由紀子、川良咲子(編集部)
PROFILE 福田麻琴さん
女性誌を中心に広告、CM、カタログ、タレントのスタイリストとして活動中の2009年にフランスへ留学。1児の母。身長161㎝。Instagram:@makoto087