最近、音楽関連の内容が多くなっておりますね。大学院が冬休みに入った途端、我慢していたライブ活動が活発化してしまいました(苦笑)。

今回は、しみじみと「好きなものって勝手につながっていくんだなぁ~」のお話です。

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吉祥寺の老舗ライブハウス、スターパインズカフェにて。こだま和文さん率いるKODAMA DUB STATION BAND以前に記事を書いた七尾旅人さんのツーマン・ライブです。

ダブ・トランペット奏者のこだま和文さん。20代の頃、フジロックの(たしか)フィールド・オブ・ヘブンのステージで初めてライブを観ました。「こんなにストイックに音楽に向き合っている人がいるんだ!」と大感動したことを、その時の景色とともにハッキリと覚えています。

トップバッターの七尾さんはMCで「とても光栄です! 音楽活動とどうやって向き合っていこうか悩んでいたのだけれど、こだまさんの著書を読んでモヤが晴れるような思いだった」というようなことを言いながら、本当にうれしそう。そして、次なるこだまさんはMCの中で「ずっと会いたかったんだよね。今日は本当に嬉しいよ」と七尾さんとのツーマン・ライブをできたことを喜んでいました。そして、アンコールで、2人は共演!!!

僕には伝えたいことがある。

その思いを歌と音で、まっすぐに訴えかけてくる2人。その音楽に対する真摯な姿勢は、いつどんな時でも私を痺れさせてくれます。2人は口下手なところ、シャイなところもとてもよく似ていて、だからこそ音楽での爆発力はすさまじく、そのエモーショナルさやメッセージの強さにおいて群を抜いている存在だと思っています。

ひとつひとつ。くらべない、幸も不幸も辛さも。

こだまさんのTwitterのプロフィールにはそう書いてあります。それは七尾さんにも通じている気が勝手にしており……今まで同じステージに立つことがなかったというのが不思議なくらいの2人。自分がずっと昔から大好きなアーティスト同士が初共演する奇跡のライブを目撃することができて、本当に感無量でございました。

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久しぶりのライブハウス。やはり、いいですね~。何がって、居心地が(笑)。足しげくライブハウスに通っていた頃の記憶が蘇ります。おっ、オーケンの名前があるぞ!
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いきおいいさんで開演時間の1時間前に到着。ライブ前後にライブハウスでダラダラすることが(お酒はほとんど飲めないのに)、好きです。


そして、お知らせしたいことがあります。こだまさんの現在のバンドのキーボード奏者はHAKASEです! 

そう、フィッシュマンズのHAKASEですよ、皆さん!

フィッシュマンズをプロデュースしていたこだまさんとHAKASEが同じステージに。情報としてはわかってはいたものの、はじめて生で確認。

20代の頃。激務だった『ヴァンテーヌ』編集部の新人時代(大草ディレクターと当時を振り返った記事はコチラ)、深夜帰宅の日々が続いていました。帰宅途中のタクシーの中でフィッシュマンズを聴いて、とにかく現実逃避していましたっけ(そして、時には嗚咽していた気がする苦笑)。

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ヴォーカルの佐藤さんがなくなってから、今年で20年。映画製作の企画が持ち上がっているようで、そのためのクラウドファウンディングを呼びかけるフライヤーも。フィッシュマンズが1990年代に開催していたライブイベント『闘魂』の2019年版が先日、約20年ぶりの開催となったばかり。残念ながら足を運べませんでしたが、久しぶりにHAKASEの演奏を聴けて、その意味でも感極まってしまいました。

 

七尾さんが感銘を受けたというこだまさんの著書を私もしっかり受け止めたくなり、ライブ後、夫の書棚から2冊のエッセイ集を探し出しました。少しだけ読み進めましたが、言葉を探しながら、ポツリポツリ、大切そうに言葉を発するこだまさんの人格そのままのような静謐な筆致です。

この週末に、しっかりとこだまさんの言葉と向き合いたいと思います。 

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<左>自伝的小説も収録されたエッセイ集。『空をあおいで』。今は絶版になってしまっている『ノート・その日その日』の表紙のチューリップはこだまさんが描いたもの。(ライブ当日はマイクスタンドに貼られていた)バンド名を記した紙にも同じモチーフが。いったい、どんな思いがこめられているのだろう? そして、七尾さんは、こだまさんの本に書かれているらしい画家アンドリュー・ワイエスの画集を買ったもよう。

 

 

七尾さん。こだまさん。HAKASE。フィッシュマンズ。アンドリュー・ワイエス……私の好きなもの同士が、どんどんどんどんつながっていく。

魔法にかかったような気分にもなりますが、同時にとっても自然なことにも思えてくるから不思議です。

今日のお品書き
本日も渥美さんはキレッキレな文章を放ってくれました。文中の「ここでいう『普通』が何かと問われれば、それは『知性』とか『品性』のように思います」という一文に、深く感じ入ってしまいました。時代は、いったいどこに向かっているのでしょうか?