2月12日(火)インスタ読書会のテーマは『繊細さん、どうぞ!』。なんとこれまでの読書会の中で最高の視聴者数を記録、たくさんの方に共感いただいた回となりました。このレポートでは、ライブをご覧いただけなかった繊細さんにも「これだけは伝えたい!」という部分を厳選してお届けします。
「繊細さん」ってどんな人?
繊細さんとは、アメリカのエレイン・N・アーロン博士によって定義された「HSP(The Highly Sensitive Person=とても敏感な人)」の特性を持った人たちのこと。より親しみを込めた“繊細さん”という呼び名は、先日バタやんがブログでも紹介した武田友紀さん著『「繊細さん」の本』がもとになっています。
バタやん:繊細さんの存在は1996年に出版されたアーロン博士の著書『ささいなことにもすぐ「動揺」してしまうあなたへ。』によって、一般の人たちにも知られるようになりました。この本によると、全人口の15〜20%、じつに5人に1人くらいの割合でHSPの傾向にあるんだそうです。また HSPの度合いには個人差があって、世代の異なる300人に電話調査した結果によると
・とても敏感 …… 20%
・まあまあ、適度に敏感 …… 22%
・それほど、少し敏感 …… 8%
対して
・まったく敏感と思わない …… 42%
これはアメリカでの調査ですし、HSPの度合いについても自己申告なので、日本では多少変わるかもしれません。ただ世の中は“まったく敏感でない人”のほうが多数であるがために、少数派の繊細さんが辛い思いをしている、ということは推測できますよね。
今回このテーマを取り上げたのは、この“まあまあ、適度に敏感”に当てはまる人が、ミモレ読者の方の中にも結構いるのではないか。そしてその人たちは“とても敏感”な人たちの頼もしい味方になれるのではないか、と思ったからなんです。
こんなあなたは繊細さん
繊細さんかどうかを確認する際のチェック項目がこちら。
□自分を取り巻く環境の、微妙な変化によく気がつくほうだ
□他人の気分に左右される(怒っている人がいると自分に無関係でもドキドキしてしまう)
□痛みにとても敏感である
□カフェインに敏感に反応する(眠気防止などの効果が出やすい)
□明るい光や強いにおい、ざらざらした布地、サイレン音などに圧倒されやすい
□空腹になると集中できない
□短時間にたくさんのことをしなければならない時、混乱してしまう
……などなど。
バタやん:これらは繊細さんに多い特徴なのですが、何個も当てはまることもあれば、どれか一つだけが強く出ることもある。また光は苦手だけどにおいは全然平気、というひとも。何に対してどれくらい敏感かは、一人ひとり違うんです。
≠内向的、≠心の病。繊細さんへの誤解
それに加えて当人たちを苦しめるのが、繊細さんが周囲から“面倒くさい人”との誤解を受けやすいこと。
バタやん:痛みに弱い、空腹時に集中できないといった特徴は「幼稚」「甘えている」などの評価を招いてしまうようです。あとこれは私も本を読むまで誤解していたのですが、HSPは「内向的な性格」とも「心の病」とも違います。もちろんHSPの人の中には内向的な人も心を患っている人もいる。けれど、必ずしも全員が当てはまるわけではないんですよね。「外交的な繊細さん」もいて、実は女優さんなどにも多いそうです。
そして繊細さんは正義感が強く良心的であろうとする傾向があり、それゆえに相手を責めたり、正論で追い詰めてしまう。例えば、会議室の机に誰かが使ったコップが置きっぱなしになっていたとします。それに気づいて片づけられるのが繊細さんなのだけど、そういった行動をありがたいと思う人もいれば、人によっては、無言の圧力のように感じることもあるようです。
繊細さんに与えられた「天職」と「休暇」
自身も「ある部分は繊細である部分は図太いところがあり、これがスマホでなく人前だったら絶対にこんな風には話せない」と告白していたバタやん。最後に、読んだ時にとても救われたような気持ちになったという『ささいなことにもすぐ「動揺」してしまうあなたへ。』の一節を紹介しました。
バタやん:天職(vocation)と休暇(vacation)のスペルが似ているのは決して偶然ではない、というお話です。
ふるく西洋の世界では、ほとんどの職業はその人が生まれた瞬間に決まっており、親から子へ引き継がれるものでした。その中で唯一例外だったのが天職、つまり聖職者です。聖職者だけは生家も親の職業も関係なく、神の思し召しによって決められます。婚姻が許されていないため子に引き継ぐこともありませんでした。
これに対してアーロン博士は、自分にとっての喜びや社会のニーズに敏感なHSPは、まさに神から与えられた感覚(=天職)だというのです。
そして、非日常の特別な時間を生きる人々(=休暇)、とも。
話を現代に戻しますね。
2001年のNY同時多発テロ事件以降、私たちの世界は人も社会もどんどん攻撃的になりつつあります。しかし、全員が王や戦士のような権力者ばかりでは社会は成り立ちません。
だからこそ重要なのは、つねに権力者のそばにあり、力が行使されようという時に「待った」をかけられる聖職者のような存在だと。そしてHSPこそ、そういった役割を担えるのではないか、というのです。
そもそもHSPは「光や音などの強い刺激を受けた際に、ある脳内物質が通常よりも分泌されやすい」という、どちらかといえば人間の正常な特徴の一つなんですよね。
私は最近では、HSPは不器用さや生きづらさではなく、類まれな神経の細やかさ、例えば絶対音感のような“限られた人に与えられた能力”なんだと思っています。
なのでみなさんも「これは特別な能力なんだ」と思って、その直感の鋭さを仕事や子育て、人付き合いに生かす方向で捉えていただけたらと。
こちらもおすすめ! 繊細さんの「お守り」本
「誰かが私をきらいでも」及川眠子
「人に嫌われるのが怖い人、友人関係で悩んでいる中高生とかがもし周りにいたら、これ読んでみてとおすすめしたい。作詞家さんらしいリズム感のある文章で、読んだ後前向きになれます。ただ強い言葉も結構出てくるので、ある程度元気な時に(笑)」
「グサリとくる一言をはね返す心の護身術」バルバラ・ベルクハン
「メディアに携わる身として直接批判を浴びることもあるし、人が人を批判する場面や、いわれのない罵詈雑言を目にすることも増えました。これは乱暴にまとめると“自分のためになっている言葉以外は聞かなくてよい!”と言い切ってくれる本です(笑)。必要以上に傷つかないための護身術を教えてくれます」
ライブ配信時は「ばっちり当てはまります……」「私って繊細さんだったんだ!」と気づく方が続出。また「気持ちがラクになりました」とのコメントも多くいただき、難しいテーマながらも発信していく意義を感じました。ご覧いただいたみなさん、改めてありがとうございました!
●3月5日(火)20時〜
ビューティエディター・安倍佐和子さんをお招きして「ビューティ放談」with 片岡
●3月6日(水)19時〜
占星術師・Keikoさんをお招きして「パワーウィッシュナイト」with バタやん
●3月12日(火)20時〜
手相占い師・卯野たまごさんをお招きして「運を掴む手相入門」with バタやん
の予定です。
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取材・文/山崎恵
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