米倉涼子さんが、過去に観た映画を紹介するアーカイブ コレクション。
そのときに観た映画から、米倉さんの生き方、価値観が垣間見えます。
ワクワクしながら映画館に行ったのに、ちょっぴり期待外れだったのが『ゼロ・グラビティ』です。アメリカ人の知り合いには、「あの映画が『まぁまぁだった』という人の気がしれない!」と言われてしまいました(笑)。
CGもすごいし、出演者ふたりだけというのもすごい。無重力状態をどうやって撮ったのか興味もわく。でも最後まで観て浮かんだ正直な感想は、だから何だったんだろう、というものでした。
ジョージ・クルーニーもあっさりいなくなるし、ふたりが離れ離れになってしまってからのスリルをもっと盛り上げてほしかった!現実と幻想が交錯して混乱してしまうシーンもあったし、宇宙空間の映像をもっと観られると思っていたのに、ほとんどが宇宙船のなかだったのも意外でしたね。
周囲の絶賛の声を聞いていたので、期待値が上がりすぎていたみたい。前評判を聞かずに出会った『恋するリベラーチェ』のように、先入観なしで映画を観ることも、ときには大切かもしれませんね。
このページは、女性誌「FRaU」(2014年)に掲載された
「エンタメPR会社 オフィス・ヨネクラ」を加筆、修正したものです。
『ゼロ・グラビティ』
スペースシャトルで事故が起こり、宇宙空間に放り出されてしまった宇宙飛行士のマットと科学者のライアン。地球に帰還するためのサバイバルを余儀なくされる。今年のアカデミー賞では監督賞、撮影賞、視覚効果賞などを受賞したSFサスペンス。