5

【松文様】おいしい小土産

0

ドングリと松ぼっくり。子どもを虜にする魅惑の木の実ですよね。うちの長女もご多分に漏れず大好きで毎日のようにカバンやポケットに忍ばせて帰ってきます。

ドングリはヨーロッパでは生命や多産の象徴。小さな実から大木に育つ事から「大きく育つ可能性」つまり「成功」を意味するとされ、男性の衣装装飾にも見受けられます。

松ぼっくりの松は日本ではあまりにも有名な吉祥文様。常緑樹で年中色が変わらないことや、樹齢がたいへん長いことから長寿の象徴として大切にされてきました。永く愛されてきた松の文様はバリエーションも豊富。松竹梅の組み合わせを代表に、若松、老松、光琳松など様々なデザインが存在します。

こちらは松葉文様。大昔、針の代わりに松葉で刺繡していたという言い伝えがあり、繡屋では象徴的によく使います。
若松菱はおめでたい菱と松の組み合わせ。配色次第でかなりモダンな印象になります。

娘がポケットに忍ばせるのはドングリですが、私がバッグに忍ばせているのは小さい手土産。さりげなく小粋な手土産が渡せる大人を目指して模索中です。まだまだ半人前ですが私が好きな京都の小土産をいくつか紹介させてください。

 

出張の時にとりあえず沢山持っていくのは五辻の昆布さんの塩昆布や佃煮。500円前後のラインナップが豊富でパッケージもスリムなので多めにバッグに忍ばせられます。我が家でもお弁当やお茶漬け用に常にストックしています。お茶の時間におやつ代わりにつまむのもおすすめです。

 

子育て中の友人にはうね乃さんのだしパックを。無添加のお出汁は色々なお料理の土台になるのであるとちょっと便利かなと思います。上七軒の坂田焼菓子店さんのクッキーは一枚ずつ包装されているので子ども達に手渡しすると喜ばれます。自然素材の優しい味わいで、サイズも大きく一枚でも満足感があります。

仕事が忙しい友人には大市さんのすっぽんスープ「養素」を陣中見舞いとして贈ります。私も疲れが溜まったときにはこれでお雑炊を作ります。生姜で体ホカホカ、すっぽんパワーで翌朝の化粧ノリもよく感じます。

話題の新店のスイーツを選ぶのもワクワクしますが、普段から好きで食べている商品は「松」のように心強いもの。今後も良い小土産との出会いを求めてリサーチ&トライしたいと思います。
 

五辻の昆布
京都市上京区五辻通千本東入る西五辻東町74-2
TEL:075-431-0719 
年中無休(正月三が日除く)

うね乃
京都市南区唐橋門脇町4-3 
tel. 0120-821-218
平日 9:00~18:00 / 土曜 9:00~16:00
第2土曜・日曜・祝祭日休み

坂田焼菓子店
京都市上京区今出川通り六軒町西入西上善寺町181-1-1-B
TEL:075-461-3997
9:00~17:00 火曜・第一月曜休み

すっぽん料理 大市
京都市上京区下長者町通千本西入ル六番町
TEL:075-461-1775
12:00~13:00、17:00~19:30
※お食事は要予約 火曜日休み、正月・夏季不定休

PROFILE 長艸 歩(ながくさ あゆむ)

1987年京都市生まれ。芸術大学にて絵画を学び、卒業後は京都の老舗日本茶メーカーで販売や広報として勤務。結婚、出産を機に夫の家業である「長艸繡巧房」にて伝統的な京都の刺繡「京繡(きょうぬい)」を学びはじめる。 現在は3歳と1歳の女の子を育てながら刺繡の技術の習得と、いままで触れる機会のなかったディープな京都文化の吸収に励んでいます。 Instagram(@sica.seka)でも刺繡や文様のことを発信しています。

 

<5月9日 刊行予定!>
『繡えども繡えども』
(仮)

著者 長艸敏明
A24判 192ページ/ 講談社

長艸敏明氏は歩さんの義父。刺繡作家、京繡伝統工芸士である氏の作品集が出版されます。着物や帯のほか、季節ごとのしつらえや婚礼衣装などの祝い着、祭事の修復や復元まで京繡の第一人者である著者の“刺繡の力”を堪能できる100点を掲載。

構成/山本忍(講談社)