江戸時代以降に流行したという有名な「端唄(はうた/短い歌謡」の冒頭の歌詞です。かたそうだった桜の蕾がふくれあがり、今にも咲き出しそうなこの時期、江戸の若旦那よろしく、思わず口ずさみそうになるのは私だけでしょうか(笑)?

先日、ご縁をいただきお座敷へ招待いただきました。落語を聞きながら、その光景を頭に思い浮かべるのが好きな私、もっと言うなら江戸時代に脳内タイムスリップしたい私は、長艸さんの記事を読んで以来、「お座敷体験してみたいな〜」とぼんやりと思っていたので、ふたつ返事で、いざ浅草の料亭割烹へ!

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この日は、浅草のNo.1芸者さんと名高い千華(ちはな)さんがお座敷へ! 三味線は、こま晶さん。お二人がお座敷に入られてきた瞬間、パーッと花が咲いたように空気が華やぎました。


夢見心地とはまさにこのこと。千華さんには、初心者の私たちが楽しめるように、芸事のこと、奥浅草の歴史のこと……たくさんのことをお話いただきました。

  • お江戸の夜の夢。梅は咲いたか、桜はまだかいな?_img1こと晶さんの三味線に合わせ、舞う千華さん。そして、江戸時代に思いを馳せる私。
  • お江戸の夜の夢。梅は咲いたか、桜はまだかいな?_img2 有名なお座敷遊び「金比羅」も初体験。シュラシュシュシュー♪ 感動!!
  • お江戸の夜の夢。梅は咲いたか、桜はまだかいな?_img3 おふたりの(名刺代わりの)千社札もいただきました。


 ほぼ毎日、午前中から稽古を始められ、夕方には支度を開始して、お座敷へ。お話させていただき、今まで考えていたよりずっとずっとストイックな世界であることが分かりました。「浅草。強いては江戸時代から続く文化、伝統を絶やさぬために」。その強い意思を感じる凛とした横顔を私はことあるごとに思い出すであろうと思います。そして、その美しい立ち居振る舞いも(ものすごく歳下のはずなのに、本当に艶っぽいんです!)。

この貴重なる夜。千華さんたちとお別れし、奥浅草をユラユラと。銭湯好きな私は、近くの銭湯でひと風呂いただきたいところをグッとこらえました。なにせ、浅草から自宅まで電車&徒歩で1時間以上の距離があり、湯冷めしそうだったので(笑)。

千華さんとこま晶さん、そして女将さんに餃子の美味しい中華屋さんも教えていただいたので(すいません、場所は分かっているのですが、お店の名前が不明です……)、次は、餃子を食べ、銭湯に行き、湯上がりに大好きな純喫茶ロッジ赤石へ(なぜか通っていた時期がありました苦笑)。

次に奥浅草に訪れた時は、そんなふうに過ごしてみたいと思います。

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近くの曙湯。藤棚があるので、もう少ししたら、満開の藤が楽しめそうです。こま晶さんには、もう一軒「蛇骨湯」もオススメいただきました。


食文化や芸能など多様な文化が栄え、たとえば長屋暮しを想像すれば分かるように人々の助け合いが大前提だった社会……「世界的に見ても、江戸時代の江戸の庶民がいちばん幸せだった(≒人類史上、ユートピアにもっとも近かったのは江戸時代)」という説をどこかで読んだことがあるのですが、すっかり江戸時代の若旦那気分の私は「確かにそうなんだったのかもしれないな〜」と深く感じ入る夜となりました。

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昔から「どうせなら粋でありたいものだ」と考えるところがあり、おぼろげにはつかめている「粋」の理解を深めるため、名著「いき」の構造 を何度も読もうとチャレンジしているのですが、どうしても頭に入ってこず……。で、この本を解説した対談集『「いき」の構造』を読む に出会い、やっと内容を理解することができ、とても感動しましたっけ(笑)。江戸時代には当たり前であったであろう「粋」について。お座敷体験を通して、少しだけ理解が深まったような!?
 

今日のお品書き
本日は生配信が2本! 19時〜は大草ディレクターによるトークショー「春のバッグ選び&コーディネイト術」について。20時〜は、宇宙元旦前夜! Keikoさんをお迎えしてのトークライブです。ぜひ、楽しい夜をご一緒いたしましょう。