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みなさん、「ふるさと納税」という言葉はもちろん知っていますよね? テレビではふるさと納税ポータルサイトのCMがバンバン流れ、ニュースでは自治体の返礼品競争がよく取り上げられています。でも、「そもそもよくわからない」「めんどくさそう」などと躊躇して、実際にはやったことがない人も多いようです。
そこで、ファイナンシャルプランナーの荒木千秋さんに、誰にでもわかるふるさと納税の仕組みと、その楽しみ方をお聞きしました。

ファイナンシャルプランナー 荒木千秋さん
荒木FP事務所代表。大阪電気通信大学金融経済学部特任講師。
女性を主な対象としたお金に関する個別相談やweb媒体の執筆、セミナーの開催など、幅広く活動。初の著書『「不安なのにな~んにもしてない」女子のお金入門』(講談社)が3月に発売。

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ふるさと納税はカンタンでおトクな税金の制度です


「ふるさと納税は税金の制度」と聞くだけでアレルギーの人がいるかもしれませんが、安心してください。ふるさと納税は「勉強」も「失敗の心配」もいらなくて、なおかつ楽しんでできるおトクな方法です。私は、心の底から「みんな、やってみたらどうかな?」と思うんですよね。勉強いらず、手間いらずで、パソコンやスマートフォンさえあれば、ほんの10分で手続きが完了するくらいのお手軽さなのですから。

「納税」とは言っていますが、実際は寄附。「自分が選んだ自治体に寄附をすると、おトクが待っているよ」というようなイメージです。寄付した金額に相当する額が、みなさんの「寄附した年の所得税」から戻ってきたり、「寄附した翌年の住民税」から減額されたりする仕組みになっています。なので、寄附してもお金はほぼ減らないのです。最低自己負担として2000円は払いますが、その代わり、2000円を軽く上回るお返しの品を受け取ることができます。

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ふるさと納税の基本の仕組み (イラスト/荒木千秋)

手続きは、「ふるさとチョイス」や「さとふる」など、ふるさと納税のポータルサイトを利用すればカンタン! 源泉徴収票(フリーランス、自営業の方は確定申告書)を用意しサイト内のシミュレーションを使って、自分が寄附できる金額の上限をまずチェック。その金額の範囲内で、寄附先を決めていきます。


寄附先の決め方1 「返礼品で選ぶ」


私はアイスクリームが大好きなので、北海道の物産展に行かないと手に入らないようなアイスが特産品の自治体や、定期的に送られてくる野菜が返礼品になっている自治体のヘビー寄附者。ネットショッピング気分で、自分が食べたいモノ、欲しいモノがある寄附先を選ぶのは一番シンプルな方法です。
牛肉や豚肉、かに、ふぐ、牡蠣、えび、季節のフルーツ、お酒など、食料品だけでも、迷い出したらきりがありません。食料品のほかにも、特産物を使用している化粧水や石鹸など美容関連もあります。娯楽関連も充実しています。選びきれない人は、ポータルサイト内のランキングや特集地域で選んでしまうのも初めの一歩としてはアリでしょう。


寄附先の決め方2 「自治体で選ぶ」


たとえば、「毎年、北海道にラーメンを食べに行っている」「沖縄でのおひとりさまバカンスの常連です」など、お気に入りの観光地があれば、その自治体に寄附をするのもひとつの方法です。訪れるだけではわからなかった地域の特色や名産品なんかがわかって、新たな発見につながることもあります。思い入れのある地域に自分のお金が役立つって嬉しいものです。
また、育った地域と現在住んでいる地域が違う人は、自分の出身地の自治体に寄附をして貢献するというのもいいでしょう。地元に恩返しするのも大人になった証拠。これぞ、名前通りのふるさと納税ですね。


寄附先の決め方3 「使い道で選ぶ」


台風や地震があったときは、ふるさと納税を利用して復興支援をすることもできます。たとえば「ふるさとチョイス」では、地震など災害が起こるとすぐに被災地支援の特集が組まれるのが特徴です。
災害復興のほかにも、自然保護・伝統を守る・文化・観光・高齢者支援まで、使い道は多種多様です。「子育て支援に使ってほしい!」とか、「観光事業に使ってほしい!」というように、お金の使い道で寄附先を選ぶ、というのもふるさと納税の楽しみ方。「この自治体のこの事業に賛同したい!」といった目的でふるさと納税を利用するのもアリです。


品物の種類やお届け時期のカブリには注意を!


寄附した自治体や返礼品の種類によって、返礼品は送られてくる時期に差があります。それでも、生ものばかり指定していると食べきれずに腐らせてしまう可能性もありますし、いろいろな返礼品が一度に届いて冷蔵庫や冷凍庫がパンパンになることも。時期を分散させる、加工食品も選ぶなど、デキル女子目線で決めていきましょう。


インスタの「#ふるさと納税」も参考になります


ふるさと納税のポータルサイトの写真では、品物の量がイメージできなかったり、お肉のサシの具合がわからなかったりすることも。そんなときに参考になるのがインスタグラムです。#ふるさと納税」と検索すると、23万以上ポストがされていて、みんなのリアルがわかります。
インスタを見ていると、思わずテンションが上がる返礼品に出会えることも。私の場合、百貨店や高級スーパーなどで取り扱っている某有名高級バターをインスタで見つけたときには、「え! あのバターが!」と声に出して舞い上がりました。
そんなふうにタグを追いかけていると、一緒に地方自治体の名前のハッシュタグがついていたりします。自分が知らない自治体だったりするとまた、「この自治体ってどこにあるの? そもそも何県?」とか、もっと調べだしちゃうわけなんです。
インスタを見るだけでなく、自分の備忘録としてUPすれば、ほかの人の参考にもなる。それを見た人によって、そこの自治体への寄附が増えれば嬉しいですよね。インスタを活用することで、ふるさと納税仲間が増えていけばいいなって思います。

本書ではふるさと納税をはじめ、簡単にできるお金のことを詳しく紹介しています!

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荒木 千秋(あらき ちあき)

荒木FP事務所代表。ファイナンシャルプランナー。大阪電気通信大学金融経済学部特任講師。1983年生まれ。三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行(現三菱UFJ銀行)に勤務し、個人の富裕層や法人オーナーが対象の投資相談業務に従事。が、同年代の働く女性たちと話す中で、これからの女性が人生を楽しむためには「投資」との付き合い方を変えなければならないと確信し、ファイナンシャルプランナーとして独立。同年代の女性を主な対象としたお金に関する個別相談や、web媒体の執筆、セミナーの開催など、幅広く活動している。
『「不安なのにな~んにもしてない」女子のお金入門』(講談社)

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「不安なのにな~んにもしてない」女子のお金入門
著者 荒木千秋 講談社刊 1300円(税抜)


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構成/生活文化編集チーム
イラスト/荒木千秋

出典元:https://kurashinohon.jp/1018.html

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