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暖かくなってきて、ファッションも春物へ。4月から新しい職場やポジションにチャレンジする方も多いのではないでしょうか?今日はそんなときに知っておきたい、意欲的に仕事に取り組むためのヒントがテーマです。

みなさん、「ワークエンゲージメント」という言葉は聞いたことありますか?
これは仕事に関連するポジティブで充実した心理状態を示します。具体的には就業中の高い水準のエネルギーをあらわす「活力」、仕事への強い関与や誇りをあらわす「熱意」、仕事への集中をあらわす「没頭」という 3 次元から構成され、定められた手法にのっとって数値化して算出することが可能です。

ワークエンゲージメントの数値が高ければ、ポジティブで意欲的に仕事に取り組めているということになりますし、低ければ、逆の意味になります。

これまでの先行研究によれば、国際比較をすると残念ながら私たち日本人はこのワークエンゲージメントが低いとされてきました。意欲的に仕事に取り組めている方が総じて少ない、ということですね。国際的には3点台後半~4点台後半の国が多数ある中で、先行研究によれば日本人のワークエンゲージメントの平均は2.8~2.9前後と推測されています。

ところが、先日公表された「フリーランス白書2019」(発行:一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会 ※私も理事の一人をしています)によると、このワークエンゲージメントについて非常に興味深い結果が得られました。

今回の白書ではフリーランスと会社員双方に同様の設問を行い、その差を比較しています。その結果、ワークエンゲージメントの平均値は、フリーランス 4.01、会社員 2.40で、フリーランスのほうが圧倒的に高かったのです。会社員の平均値は、先行研究と大きく差異があるわけではないのですが、フリーランスの平均値は従来の 日本の数値に比べてかなり高く、国際比較における欧米諸国の水準と変わりありませんでした。日本人がおしなべて意欲が低いわけではなく、働き方やマインドによるということが言えるのではないでしょうか?

また、会社員・フリーランスともにワークエンゲージメントにプラスの影響を与える3つの要素が見えてきました。それが①専門性コミットメント ②職業的自己イメージ ③主体的キャリア形成です。

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1つずつ見ていきましょう。最初の専門性コミットメントは「自らの専門性に関する意識」を指します。必ずしも専門職の方だけが有するものではなく、働く人全般が有しているものと考えられます。「弁護士」とか「会計士」などの専門職のみならず、「広報」とか「人事」などのビジネス上の「専門性」もここでいう「専門性」に含みます。個人において、 深めていく専門性の領域が明確で、高めるための計画があり、努力を惜しまないという、自らの専門性へのコミットメントの程度を示します。

2つ目の職業的自己イメージとは職業選択を通じて実現したい自分像ということですね。仕事を通じてどういう自分でありたいか、ということです。

3つ目の主体的キャリア形成はこちらの連載で何度か取り上げている「自分のキャリアの主導権は自分で握る」ということ。人任せ・会社任せにするのではなく、自分自身が自律的にキャリア形成をしていくということです。

フリーランスは自らの専門性に対して発注が来る働き方ですし、あえてフリーランスという生き方を自らの意思で選択している方が多いので、今回の白書の結果のようにワークエンゲージメントが高くなるという結果も納得です。

しかし、もちろん、フリーランスのほうが会社員よりもいいとか、フリーランスvs会社員のような二項対立で語るつもりは毛頭ありません。

自分らしく生きられる働き方は人それぞれですし、ライフステージの変化によっても変わっていくもの。ぜひ自らの専門性を意識し、ありたい姿を大事にしながら、自律的にキャリアを切り拓いていきたいものです。

春から心機一転、自分の中のワークエンゲージメントを意識してみてはどうでしょうか?