4月に入り、本格的に春を意識した着こなしにシフトする時期になってきました。春夏シーズンはキレイ色のアイテムがショップにも街にも増えますよね。でも、地味にはなりたくないし、華やかさは欲しいけれど、ピンクやイエローなどのキレイ色を着るのは少し気後れしてしまう・・・なんて人も少なくないのではないでしょうか。そんなときに使える着こなしのテクニックを、著書『ファッションエディター磯部安伽のスマートクローゼット』が好評のエディター磯部安伽さんに教えてもらいました!

大人の華やかさを作るルール❶
飽きるし印象の残る鮮やか色より、 素材やデザインで着映え力のあるものを選ぶ


ピンクやイエローといった鮮やか色は「どれも美しく、見ているだけで華やいだ気分になれる」と磯部さんも感じているものの、数回着ると飽きてしまって手が伸びなくなってしまうんだとか。そんな経験から、最近は「色ではなく、素材やデザインに、着映え力のある」アイテムを選ぶようになったと磯部さんは話します。「ベーシックカラーでもリネンやレースなど素材にニュアンスのあるものや、ラップ型やスリット入りなどドラマティックなデザイン」が着映え力のあるアイテムのポイントなんだそう。

「フェミニンなレーススカートは辛口なタイトスカートを選ぶと、大人っぽい印象に。スリット入りでちょっとセクシーな1枚はノースリーブTシャツでスポーティさを加えて着る」と落ち着いて見える。Tシャツ/スローン スカート/ウィムガゼット バッグ/メヌイ シューズ/ザラ スカーフ/エルメス リング/エナソルーナ
「ひとクセあるデザインとリネン素材で華やか」なスカートは白Tシャツと合わせてワンピース風の着こなしに。Tシャツ/ヘインズ スカート/ナゴンスタンス バッグ/セリーヌ シューズ/コンバース



大人の華やかさを作るルール❷
ベーシック服の延長線上にある きれい色を取り入れる


磯部さんがきれい色をあまり着なくなったのには、もうひとつ理由が。それは現在の年齢。「10代、20代の頃はきれい色を着こなせる”若さ”がありました。今よりもっと歳を重ねれば、今度はきれい色をあやつれる“存在感”が身についてくるかもしれません。でも、その狭間にいる今はきれい色を無理に着なくてもいいと割り切っています」と話す磯部さんですが、そんな中でも春らしい華やかさを演出するため「自分がよく着ているベーシック服の延長にあるキレイ色」を取り入れるようになったんだとか。たとえば、「よく着ているミリタリージャケットの延長のグリーン」「デニムの延長の水色」がそれで、気負いなく身につけることができるようになったそう。

「ベーシック服の延長で選んだきれい色」のグリーンのトップス。ニット/ブラミンク パンツ/マーガレットハウエル バッグ/エルメス シューズ/コンバース 時計/ロレックス ブレスレット/ハム
「水色のコーデュロイのパンツは、レースの白トップスと甘めのコーディネートを楽しみます。パイソン柄パンプスで辛口スパイスをひとさじ加えて」ブラウス/ヴィンテージ パンツ/リーバイス バッグ/エバゴス シューズ/ザラ


きれい色を着こなし方など、大人世代が悩むファッションのあれこれをわかりやすいメソッドで解決してくれる磯部安伽さん。さらに詳しく知りたい方は新刊『ファッションエディター磯部安伽のスマートクローゼット』を手に取ってみてくださいね。


磯部安伽(いそべやすこ)
ファッションエディター。『Marisol』『LEE』などの女性誌を中心に活躍。センスと実用性を追求した丁寧なページ作りで、モデルやスタイリストから絶大な信頼を集める。また、ベーシック服を提案する私服コーディネート特集も大反響を呼んでいる。
 

 

<書籍紹介>
『ファッションエディター磯部安伽のスマートクローゼット』
磯部安伽 著 KADOKAWA 刊 ¥1400(税別)


有名モデルやスタイリストから絶大な信頼を集める、ファッションエディター磯部安伽(いそべ やすこ)さん初のスタイルブック。著者のおしゃれのポリシーは、最小限のベーシック服で、季節を上手につなげて着回していくこと。それを“スマートクローゼット”と名付け、手持ちの服をスマートに活用し、ワードローブをスマートに保つメソッドを公開しています。春夏秋冬オール私服のコーディネートで、1年中スマートなおしゃれを手に入れるテクニックを紹介。「靴とバッグの色はあえて合わせない」「冬だって春夏服を寝かせない」など、ハッとさせられると同時にすぐにマネしたくなるアイディアがたくさん詰まっています。

撮影/須藤敬一(人物)、魚地武大(TENT/静物)