先日、初のスタイルブックを出版した人気エディターの磯部安伽さん。彼女が提案する「少ないベーシック服でおしゃれを楽しめる、賢くてすっきりした“スマートクローゼット”」という考え方が話題になっています。着こなしや着る人の個性で印象が変わるベーシックな服を揃えておくことで、必要以上に服をもたなくても、新鮮なおしゃれが楽しめるというもの。たとえば、今の季節に大活躍する定番アウターのトレンチコートとテーラードジャケット。少しだけコーディネートに差をつければ、無駄にアウターを増やすことなく、春も秋も新鮮におしゃれが楽しめるんだそう。

トレンチコートの場合

季節をまたいで着るなら
オーバーサイズを選ぶのが正解

 


春と秋、季節をまたいでコーディネートへ取り入れるならオーバーサイズのトレンチコートがおすすめ。その理由は「着るだけでこなれ感が出せるという特徴の他に、重ね着がしやすいという長所を持っています。コートの下に厚手のインナーやジャケットを着ても肩や腕がパンパンになることはありません」とのこと。では早速、同じトレンチコートの春と秋の着こなしテクニックを見ていきましょう。
 

春なら白シャツとレーススカートを合わせ、「ベージュを基調としたヌーディなコーディネート」で軽やかな着こなしに。オーバーサイズのトレンチコートは、ベルトをきゅっと縛ってメリハリのあるシルエットにすれば、きちんと感が必要なお仕事シーンでも好印象です。コート/エイトン シャツ/マディソンブルー スカート/ウィムガゼット バッグ/セリーヌ シューズ/セルジオロッシ
「オーバーサイズトレンチなら厚手のパーカでも、ゆとりを持って着られます」と秋の着こなしを提案する磯部さん。トレンチコート✕パーカという「永遠の最愛コンビ」に、こっくりとしたブラウンのパンツを合わせて、秋らしさを演出しています。コート/エイトン パーカ&パンツ/オーラリー バッグ/モラビト シューズ/コンバース ストール/ジョンストンズ


テーラードジャケットの場合

肩がぴったり合ったサイズの
ネイビーが使い勝手抜群

 

テーラードジャケットは「オンだけでなくオフも着られる便利なアウター」と話す磯部さん。サイズは肩の位置が合ったジャストなものがおすすめのとのこと。「ジャケットの下に厚手のインナーを着ることはあまりありませんし、ジャストサイズであればその上からアウターを羽織りやすいから」とのこと。定番色のネイビーなら、同じくネイビーや黒のボトムをあわて、セットアップ風に着ることもできるのだそう。

ネイビーのジャケットと相性のいい「黒パンツを合わせてセットアップ風に着こなしに」。インナーは抜けを出す白のトップスにすれば、春らしい装いが完成します。ジャケット/マディソンブルー トップス/ハイク パンツ/シンゾーン バッグ/セリーヌ シューズ/マノロ ブラニク
ネイビーのスカートを合わせた、同じくセットアップ風のコーディネートですが、秋はインナーをブラウンにしてダークトーンでまとめています。またジャストサイズのジャケットなので「寒くなったら、この上から、オーバーサイズのトレンチコートを羽織ります」とのこと。サイズをきちんと考えて揃えることで、アウター同士の重ね着も可能に。ジャケット/マディソンブルー ニット/ジョンスメドレー スカート/フランネル バッグ/シャネル シューズ/サンローラン

少ないベーシック服でおしゃれを賢く楽しむ”スマートクローゼット”という考え方は、悩み多き大人世代を救ってくれる理論でしたね。さらに詳しく磯部さんのメソッドが知りたい方は新刊『ファッションエディター磯部安伽のスマートクローゼット』を手に取ってみてくださいね。


磯部安伽(いそべやすこ)
ファッションエディター。『Marisol』『LEE』などの女性誌を中心に活躍。センスと実用性を追求した丁寧なページ作りで、モデルやスタイリストから絶大な信頼を集める。また、ベーシック服を提案する私服コーディネート特集も大反響を呼んでいる。
 

 

<書籍紹介>
『ファッションエディター磯部安伽のスマートクローゼット』
磯部安伽 著 KADOKAWA 刊 ¥1400(税別)


有名モデルやスタイリストから絶大な信頼を集める、ファッションエディター磯部安伽(いそべ やすこ)さん初のスタイルブック。著者のおしゃれのポリシーは、最小限のベーシック服で、季節を上手につなげて着回していくこと。それを“スマートクローゼット”と名付け、手持ちの服をスマートに活用し、ワードローブをスマートに保つメソッドを公開しています。春夏秋冬オール私服のコーディネートで、1年中スマートなおしゃれを手に入れるテクニックを紹介。「靴とバッグの色はあえて合わせない」「冬だって春夏服を寝かせない」など、ハッとさせられると同時にすぐにマネしたくなるアイディアがたくさん詰まっています。

撮影/須藤敬一(人物)、魚地武大(TENT/静物)