46歳の誕生日を迎え、アンチエイジングの美容整形には数年前から興味津々のワタクシ。「ガクッと老けてからやると気づかれやすいから、やるなら若いうちにやった方がいい」などという声も聞くし、周りではすでにヒアルロン酸などを注入して自然に若返っている人も居るので気になって仕方ないのですが、小心者なので失敗したときのことを考えると、「今のままでいっか…」とついつい及び腰になるのであります。

そんな中、人気ドラマ『フレンズ』でお馴染みの女優コートニー・コックスが、顔へのフィラー注入を後悔してすべて溶解したとカミングアウト。「全部のフィラーを溶解したわ。私はできるだけナチュラルでいることにしたの」とコートニー。

2019年2月の写真。写真:Shutterstock/アフロ

その理由について、「今の方がいい気分よ。なぜならより自分らしく感じられるから。どんな容姿をしているかは、その人がどういう人間として生きてきたかが現れるものだと思う。すべては変化していくもの。そしてすべてが下がりはじめたの。顔のたるみを止めようとしたら、作り物のような顔になったわ。表情には動きがないといけないのよ、特に私のような薄い皮膚の持ち主はね。それはシワではなくて、笑いの線なの。私はその動きを受け入れることを覚えたわ。フィラーは私の友達ではなかった」

ふむふむ。コートニー同様、顔の皮膚が薄い私にも、至極腑に落ちるお話。―私見ですが、私の周りでフィラー注射が上手く馴染んでる方達は、皮膚が厚めで元々顔に脂肪もちゃんとあるタイプな気がしていたのです。薄い皮膚の下に異物を注入したら、違和感が目立ってしまうのは想像がつきますよね。やっぱりダメかしら〜、がっくり。

ただし彼女いわく、ドクターに勧められて気になる箇所に少しだけ注入する分にはいいけれど、やりすぎると麻痺して不自然になるのだ、とのこと。コートニー自身も注入しすぎて、半年も何もしていなかったのに友人に「まあ、もう注入はやめなきゃ!」と言われるくらいに不自然な顔になっていることに、自分では気づかなかったそうです。

こちらは2019年4月。早くも変化あり? 写真:Backgrid/アフロ

―ここからは私自身の話になりますが、今年からミモレの今日のコーデに登場させていただいている私が講談社でコーデを撮影したあと、自分の写真を見ていたときのこと。「うわ〜。なに、この笑ったときのマリオネットライン(涙)!! 今まで気づかなかったけど、これはもういよいよヒアルロン酸注入するしかないわ……」と編集部で嘆いていたところ、大森編集長にこう諭されたのです。

「いい歳をした大人が近視眼的に自分の外見ばかりに躍起になっているサマは美しくないですよ。自分のシワを気にしているヒマがあったら、家の前のドブさらいをするなり、ボランティアに行くなりして人助けをした方がいい。そういう年頃なんです(注:私の意訳です)」。

―尤もすぎるお言葉に、深く頭(こうべ)を垂れました。―ドブさらいというのは言うまでもなく、本当にドブ掃除をしろというのではなく、人のお役に立つことをしろ、という意味ですね。

たしかに、いくつになっても美しく若々しくいたいという思いは人として当然の欲求(ですよね??)だけれど、そればかりに固執して振り回されてしまっているのは傍目にも痛々しく見えるもの。それは例えば、セレブでいうと最近のマドンナに私が感じていたことでした。元々美人なマドンナだから、60歳になった今、若く居るためにあそこまでガッツリした美容整形を繰り返したり若いときと同じような過激なセクシー衣装にこだわらなくても、そのままできっと素敵なのに…と。もちろんポップスターという職業柄、若々しい外見にこだわらなくてはいけないということもあるのかもしれないけれど、先日51歳にしてロレアルの広告キャンペーンに抜擢されたセリーヌ・ディオンは年齢相応の老け方で充分綺麗。―結局、どの時点で加齢を受け入れるか、という自分自身との「戦い」になってくるのだろうな…。

とはいえ私も、コートニーやセリーヌのような境地にはまだなれそうにありません。早く医療技術やテクノロジーが発達して、飲むだけで肌がふっくらする薬とか、塗るだけでシミがなかったことになるクリームとか、少しくらい高くてもいいから発明して欲しいなと、切に思うのでした。