「明日の午前中にマンチェスターに着ける便はないものか」と複数の航空チケット検索サイトでチケットを探し、導き出した答えは翌朝の早朝にドイツのミュンヘン空港を経由する便。

絶対に負けられない闘いがある!

再びトランジットがあるという事実に「また、しでかしてしまうかも」という不安に怯えながらも、チャレンジするしかありません(苦笑)。結果的には、早朝6時発の便で、2時間30分かけてミュンヘンへ飛び、約1時間30分のトランジットタイムをはさんで、マンチェスターまで2時間のフライト。時差の関係で、結果的に、それであれば10時すぎに現地到着できることに。「あと2時間あれば着いたはずなのに」ということをいくら考えても仕方がありません。とにかく、今度こそ、乗り遅れないようにせねば、と気合いを入れ直した次第(もういい大人なんだから、しっかりして、私!)。

時差で搭乗時刻を勘違いして、また、トランジットをしくじったら泣くに泣けないので、しつこいくらいに確認しました。


というわけで、ヘルシンキ空港内にあるホテルをアプリで予約し、チェックイン! ヘルシンキ市内に繰り出して『かもめ食堂』(ちなみに片道40分くらいかかります)で夕食でも食べてみようかなとも考えましたが、荷物が空港内に残されているということが発覚し、その荷物を探索してもらい、それが自分の目の前に出てくるのを待ってピックアップする作業などで心身ともにヘトヘトになったため、諦めました(これに関しては、大人になったな、私!)。

  • 夜の8時から翌4時まで。バックパッカーな学生時代だったら空港のバーやカフェで長居をして、ベンチで仮眠してしのいでいた気もします(そんな若者たちがたくさんいました。懐かしいな〜)。こちらは宿泊したホテルのロビーです。
  • 絶対に寝坊しないようにとしていたら、緊張してあまり眠れませんでした(苦笑)。ヘルシンキ空港は朝5時からカフェやお土産屋さんなどが一斉にオープン。空間を見渡し、「国際空港のあり方は、やっぱりその国の自己紹介になってるべきなんだよな〜」と思ったり。
  • 私がこの日、ヘルシンキの朝焼けを見るなんて、誰が予想できたでしょう! ちなみに、これも後から知ったのですが、ヘルシンキ空港はアナウンスが(ほぼ)ない空港で有名なのだそうで……私はこの乗り遅れ事件により、知らず知らずのうちにアナウンスをたよりにしていたことも自覚しました。


まずはミュンヘンへ。「なぜ、私はドイツに向かうのか?」と自分に問いかけても無意味だということを自分に言い聞かせ、修行僧のような気持ちで搭乗。

飛行機は無事にミュンヘン空港のターミナル2に到着。マンチェスター行きの便の出発もターミナル2。90分のトランジットタイム。「さすがに余裕でしょう」と考えつつ、掲示板を見たら出発便のゲートまで「徒歩マーク26min.」の表示。なんだかイヤな予感がする……予感は的中し、その間にあるパスポートコントロールに(北欧→ドイツ間はシェンゲン協定のために必要なし)、長蛇の列が! 

助けて、神様!

美味しそうなプレッツェルを横目に見ながら、私はただひたすら今にも走り出しそうな早さで一心不乱に歩きました。
「マンチェスター」と表示が見えた時、天竺にたどり着いたような境地にさえなりました。椅子に座ったら、寝落ちするかもしれないという恐怖(以前にこれで乗り遅れたことがあります……)により、カウンター前でボーディングタイムまでの約15分間を立って、待ち続けました。そう、油断は大敵!


そんなこんなで、予定よりも約18時間遅れで、私は無事に取材先であるイギリスのスタッフォードにある、ワールド・オブ・ウェッジウッドに到着できたのでした。

あ〜、この出張のことは、もっと優雅な記事で始めたかった(苦笑)。

心の中は安堵でいっぱいの私。無事に取材時間に間に合いました。写真は、この日の午後イチバンで行った陶芸体験時のスタッフ、ジェームスさん。


明けない夜がないように、着けない目的地はない!

なんだか人生の教訓のようです。

そして、単なる海外旅行をすること以上に、旅のピンチ時はiPhoneとwifiさえあれば、どうにかなるということがよくわかりました! それらがなかった時代、いったいどうやって自分はバックパッカーをしていたのかということを、今はもう思い出せそうにありません。

 
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