ロンドン屈指の巨大ターミナル駅であるセント・パンクラス駅。そちらと同じ建物内にあるセント・パンクラス・ルネッサンスホテルに、今回初めて赴きました。エントランスを入って、ロビーに足を踏み入れると……

ヴィクトリア時代の最高のゴシック建築のひとつと言われているセント・パンクラスホテル。1868年に建てられたコチラは、駅、ホテルの他にもレジデンスがあるとか? どんな億万長者が住んでいるのでしょうか……!!!  ハリー・ポッターの撮影も行われたということでも有名なんだそうです(すいません、ハリー・ポッターを1話も見たことがなく……)。


「このロビーの佇まい、私史上1.2を争うくらい大好き!」と大興奮してしまいました。ゴシック建築を生かしたリノベーションとモダンな家具、そして何より植物のアレンジメントが絶品! 中央には大きな樹々が茂り、随所にハイセンスなアレンジメントを惜しみなく配置。それは、春が来て一斉に咲き出したロンドンの花々たちの勢いと生命力を感じます。

快晴だったため、光が強すぎて、キレイに撮影ができませんでしたが、天井高で自然光が頭上から燦々とさしこむサンルームのようなフロントロビー。
イースター用のアレンジメント。
卵のオーナメントがたくさんぶらん下がっていました。

こちらのリラックスできる居心地の良さは、アウトドアリビング、いや、さながら公園といった面持ち。実際に、街を散歩していると、いたるところに小さな公園があり、実際に花々が勢いよく咲き乱れています。そちらのベンチや芝生に、おしゃべりや読書、ビール(?)を楽しんでいる方がたくさん! イギリスの方々がどれほどまでに春の日差しを待ちわびていたのかがとてもよくわかるのです。「待ってました!」とばかりに、ワクワクしながら公園に集まってきたのであろう気持ちの高揚感。それをしっかり受け止めてくれるかのような空間演出だな、と思いました。

  • ロビーのカウンターの上に置かれたアレンジメントの中にも卵。
  • フロント横にあるバーの入り口のアレンジメント。
  • 古木を使ったアレンジメント。

ちなみにこちらのホテルは、ユーロスターのホームを眺めることができる、大聖堂のようなカフェ&バー「ブッキング・オフィス・バー」。そして、英国で最も有名なシェフの一人、マーカス・ウェアリング氏が運営している「ギルバート・スコット・バー&レストラン」もとても素敵。

フロントのカウンター上に置かれていたスウィーツもインテリアのポイントになるように、「水色」を選んでいるはず。本当に計算が行き届いています。
ちょっとしたさりげないプレゼンテーションがとても上手なホテルだな、と思いました。
こちらはエレベーターホール前のアレンジメント。


まだまだ紹介したいディテールがたくさんあるホテルです。

歴史の重厚感と現代の軽やかさ。エレガンスとキッチュさ。屋外と屋内……相反する要素を重ね、ミックスしていくことで洗練を生んでいるのであろう好例のフロントロビー。季節が変わるとあしらわれる草花で、表現される雰囲気は様変わりするのだとも思いますが、セント・パンクラス駅をご利用の際は、宿泊せずともこちらのホテルを是非のぞいてみてください!