4月9日(火)に配信された、好評シリーズ「バタやんのインスタ読書会」。
ジェーン・スーさんの話題作『私がオバさんになったよ』の読みどころをご紹介しながら、楽しいオバさんとして生きるヒント(婦人の永遠の命題ですね!)をバタやんが考察しました。こちらのレポートでは、ライブをご視聴になれなかった方も楽しんでいただけるよう、【バタやん読書会のサマリー】をお届けします♪

 


届けたい読者の心をざわつかせる名タイトル


バタやん:
ジェーン・スーさんといえば、『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』という名著を思い出される方も多いと思います。ジェーン・スーさんが30代のときの作品。今回の『私がオバさんになったよ』は、ジェーンさんと著名人たちの対談集なのですが、構造としてはまさに前作への答え、一つの結論のようになっています。ジェーン・スーさんは今40代ですからね。2冊セットで読むのがおすすめです。

 

新刊は、「小説幻冬」で連載された対談集なのですが、前書きを読むとタイトルは後からつけられたことがわかります。「本のタイトルは犬笛のようなものだと思う。届いてほしい人にしか聞こえない周波数のようなものがある。そこにうまくチューニングできれば、読み手をがっかりさせることも少なくできると信じている」と書かれてあって、改めてタイトルの重要性を感じました。
私自身、「オバさん」という言葉に心はざわざわと……。


対談相手との距離感が読み応えに直結


バタやん:
収録されている、ジェーン・スーさんの対談相手は、作家・酒井順子さんや山内マリコさん、マンガ家・海野つなみさん、脳科学者・中野信子さんなど、とても豪華! ポイントは(能町みね子さん以外)対談相手とジェーン・スーさんと基本的には初見ではないこと。山内さんとはバッタリ会うこともあるご近所同士、中野信子さんとはLINE仲間なのだそうです。

“対談”って「はじめまして」の2人のことも多く、経歴の紹介や相手を褒め合うことからスタートしますよね。本題につくまでやや時間がかかり、どちらかのファンにはまどろっこしい(笑)。本書は、本題に触れている時間が深くて長いというか。読みやすいし、読後の満足感も大きいんですよね。


「男だから」「女だから」と断罪しないジェンダー論

 

バタやん:
対談には、「男性学」という社会学の研究者である田中俊之さん(男性)も登場します。男性が弱音を吐けない理由とか、男性が社会から受ける“圧”についてもジェーンさんと話されていて。

「男性の生きづらさと女性の生きづらさはコインの裏表」という田中さんの言葉が印象的でした。

日本のように根強い女性差別がある国では、男性の生きづらさを語るだけで、多数の批判にさらされることも多いんですね。
わかりやすい例でいうと、日本の自殺者の数は年間約3万人、そのうち女性は1万人未満なのだそう。これは数年変わってない。ってことは2/3はいつも男性なんですね。

『逃げるは恥だが役に立つ』を描いた漫画家・海野つなみさんも、「女の人にかけられた呪い」は描いたけど、「男の人にかけられた呪い」はまだ描いていないと。


楽しいオバさんとして生きるために


バタやん:
読み終えて、オバさんと言われないために美容やら体づくりを頑張るというより、「オバさん」という言葉の持つイメージを希望あるものに変えていきたいなと。
それはミモレの役割の一つであると思っているし、こうして見て(ミモレを読んで)くださっている皆さんもその役割をすでに担っていらっしゃるんじゃないかと。

脳科学者・中野信子さんとの対談中に、ジェーン・スーさんが女性の価値を通貨に例えていらっしゃったのがとても面白かったです。「かわいいはユーロ、おもしろはペソ」と書かれていて。両替しづらいペソに例えられている女性のおもしろ=知性が、世界通貨になる時代になりつつある。何の役にたつのか、それでお金がもうかるのか、とは関係なく「おもしろいから」が大きな理由になる。「面白いという感覚はドーパミンの源、人生のフリンジみたいな部分」だという中野さんの言葉に、“楽しいオバさんの未来”を見ることができました。

ライブの最後に「バタやんがマンガになったよ」。
<今後のミモレインスタライブ配信予定>
●5月7日(火)20:00~
安倍佐和子さん「最新おすすめ美顔器」

●5月14日(火)20:00~
ザ・ノースフェイス 原宿店より「夏フェス☆ファッション」

●5月17日(金)20:00~
Keikoさん「Keiko’s Power Wish Academy開校記念」第4回

●5月21日(火)20:00~
卯野たまごさん「教養としての手相入門」第3回

の予定です。

ミモレのInstagramアカウント@mimolletをフォローいただき、インスタライブから無料でご視聴いただけます。また、配信から24時間はストーリーにてアーカイブをご覧いただけます。

ぜひコメント参加してくださいね♫

撮影・取材・文/藤本容子