4月15日、雨模様を囁かれながらも、雲ひとつない神々しい青空が広がった例大祭当日、熊野本宮大社にて。

宮司様による神楽「男舞」の奉納では、鳳笙の心に染みる和音に、篳篥、龍 笛、楽太鼓が本殿に響き渡り、子どもたちの歌声が溶け合う。何だか懐かしく 思えた音色に胸が熱くなり、気づけば頬に伝うほど涙を流している自分に驚き ながらも、またこのご縁に感謝の気持ちが溢れた。

 

本殿祭中には、八咫烏を思わせる大きなカラスが羽を広げて飛び、本殿が閉じ られるとまた舞い戻って行くという、神聖な光景を目の前に、とても清らかな 気持ちに。

熊野速玉大社

心地良い風が流れ、青空のもと朱が映えてとても綺麗でした。

ここ熊野速玉大社には、御祭神が第一殿から第五殿までたくさんの神が祀られ ているのですが、ここでもステラさんからレクチャー頂いた、「できたら、そ れぞれ神々の名を唱えてお祈りを捧げるように」私の場合、予習もなく訪れた 熊野で、すらすらと神々の名を唱えることはできませんでしたが、文字をなぞ り読む感じで一殿づつ丁寧にお祈りさせて頂いきました。 すると、やわらかい風に頬を撫でられながら立ち止まっていました。 初めてのことでした。胸の中がすっきりと新鮮な空気が流れ込んだような、祈るということ、こんなに長く生きていても初めてのことなんてまだまだある んだなぁ...と。 ひとつ、またひとつ、と願いを重ねていくと、最後には、自分にとって何が本 当に、一番大切なことなのか、自分は何を求めていたのか、深く考えたことも あったようななかったような、ぼんやりしていたことが、とてもクリアになっ ていました。眼には見えない神を感じること、空港から神社に向かう車の中で、ステラさんが話してくれた、熊野三山、熊野本宮大社(来世)、熊野那智 大社(現世)熊野速玉大社(過去世)のそれぞれの歴史や、 大自然に抱かれた 熊野が、甦り、再生の地と呼ばれる由縁など、 いつの時代にもどこにも物語 があり、それを知って触れることができたこの機会は本当に私にとって意義深いものになりました。

 
 

聞くと、通常、熊野三社を2日で回りきるのは、移動距離を考えても随分大変なことのようで、今回はミラクル!! なんと、最後には神倉神社の参拝まで。

 
 

自然石の石段を登り、御神体のゴトビキ岩まで

 

スカートを手にかかえながら無事に下山!

 
 

導かれたこの熊野参拝の旅、かなりパワフルに行動した2日間、睡眠不足の中なぜか疲れ知らずで終始エネルギーに満ち溢れて過ごしました。動けたって言うのかな….それは自然のエネルギーなのか、感謝という気持ちから生まれるエネルギーに動かされているのか…
今回は、今まで考えたこともなかったようなことを考えたり、はじめて触れるものや、遠くにあったものを傍に感じられることができたり、私にとって旅は日常であるけれど、本当に心から良い旅ができたと、これまた感謝の気持ちでいっぱい。

羽田空港からオフィスに戻る車の中、ベイブリッチを渡る光景が映画のスクリーンのようにドカーンと広がって、なんだか衝撃的だったの。
たった2日間の熊野でしたが、深~く、大自然の波長に同調されていたのでしょうか? いつもの景色を受け入れるのに東京タワーを目にする頃まで時間がかかりました。

ご縁に感謝。

 
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