仕事で成果を上げた人というのは、何がしか人とは違ったやり方を実践しているものです。周囲の人と同じような行動ばかりしていては、平均的な結果しか得られないのは明らかですから、もし自分が成功したいのであれば、成功している人からやり方を学ぶのが早道です。

成功している人というのは、精神的にも満足しているケースが多いですから、ノウハウを教えて欲しいと丁寧に頼めば意外と簡単にコツを教えてくれるものです。成功した人から、素直にやり方を学べる人は、次に成功する予備軍といってよいでしょう。

 

ところが自己に対する承認欲求が強すぎると、成功した人に対して妬みの感情を持ってしまい、素直に成功者から学ぶことができません。その結果、重要な情報も冷静に受け止めることができなくなります。
どれだけ妬んだところで、自分が成功するわけではありませんし、相手が失敗するわけでもありません。こんなことは誰でも分かっているはずですが、成功者を目にすると冷静になれないという人が多いのです。

過度な承認欲求は、日々の仕事の中でもかなりのマイナス要因となっています。

組織の中で営業職的な仕事に就いている人も多いと思いますが、熱意の割にモノやサービスが売れない要因のひとつとなっているのが、営業担当者の過度な承認欲求です。
営業担当者の中には、顧客のところに行って、自分の話ばかりする人が大勢います。これでは相手の状況を把握することも、満足度を高めることもできません。必要なタイミングで、商品のプッシュができませんから、営業成績も向上しないのです。

凄腕の営業担当者と呼ばれる人の中で、押しの強い人はあまりいません。むしろお客さんの話をよく聞くタイプの人が卓越した成果を上げています。あくまでトークというのは、話したがらない顧客にきっかけを与えるためのものですから、自分語りをしても意味がないのです。

筆者は会社を経営した経験があるので実感としてよく分かるのですが、営業の場における主役はお客さんであるという感覚を持つだけで、営業成績は飛躍的に向上します。そんなことは当たり前だとは思わないでください。多くの人が、その当たり前のことが実践できず、顧客の前で自分の話ばかりを繰り返しています。それだけ承認欲求に邪魔されている人は多いのです。

 
  • 1
  • 2