生理不順を放っておくのは良くないけれど、それが閉経による不順だったとしたら? 女性にとって身近で気兼ねなく相談できる生涯のかかりつけクリニックを目指し、婦人科診療とエイジングケアの最先端治療をおこなっている『成城松村クリニック』の松村圭子院長が、その見極め方や、対応についてアドバイスをくれています!

 

チェーさんからの質問

Q. 生理を起こす薬を処方されました。
間もなく閉経だと思いますが、いつまで服用すべきなのでしょうか?

 

これまで生理は規則正しく来ていましたが、45歳を過ぎてから突然に乱れ始めました。50日周期の時もあれば、11日周期の時もあります。いくつか婦人科にもかかりましたが、1件の病院では黄体ホルモンの薬を処方され、また「乱れた時は自分の判断で服用して生理を起こして下さい」と言われました。更年期の血液検査をしてもまだそれほど深刻ではないようですが、年齢的にもよくある事でしょう、という感じでさらっと終わりました。閉経を迎えるのに、いつまで生理を起こす薬を服用すべきかも分からず、お医者様によっても考えが違うように思います。ネットで調べましたが、なかなかピンとくることが書いてありませんでした。
また最近はホルモンバランスのせいか、いくら休んでも疲れが取れにくかったり、寝込んでしまうこともあります。他の病気を疑って検査もしましたが、リウマチの疑いで1度引っかかったことはあるものの様子見で終わりました。時々ジムで汗を流すと体の調子も良くなり、周期も安定するので、体調の良い時はなるべく運動するようにしています。
大体何歳頃からどの様な症状が現れるか、その時に注意すべき症状は何か、また他の病気との見分け方、不調をうまく乗り切る方法などありましたら教えて下さい。どうぞよろしくお願いいたします。(48歳)


特別ゲスト 松村圭子先生の回答

A. 閉経してもおかしくない年齢ですから、
無理に生理を起こす必要はないと思います。

 

「更年期を乗り切るために何をしたらいいのでしょうか」とのことですが、私は、何もしなくていいと思うのです。チェーさんは現在48歳とのこと。閉経をしてもおかしくない年齢ですから、生理を起こす薬も飲む必要はないくらい。というのも、この時期になると生理の状態が不安定になる、それこそが生理的に普通の状態だから。決して病的な状態ではないのです。ですからもし私なら、チェーさんの状態に対してとくに生理を起こす治療はおこなわないと思います。薬を飲むことでとくに弊害はありませんが、意味もありませんから。ましてや「自分の判断で薬を服用してください」というのは、やや首をかしげるところです……。

ただし注意してほしいのは、貧血です。生理がこないというだけでしたらあまり気にする必要はないと思うのですが、同じ生理不順でも出血が止まらないということでしたら、「貧血」という別の問題が出てきます。そうなると、ある程度出血を止める治療が必要になってきます。ですがチェーさんは、リズムが乱れていることが主な症状のようですので、今は様子を見られて大丈夫ではないかと思います。

もしチェーさんが 30代で、生理が不順ということでしたら、それは何とかしなければなりません。でも48歳でしたら、ホルモンバランスの乱れから生理が不順になることは、生理的に起こることです。

たとえば、この症状が出たのが55歳の人だったと考えてください。そうなると、「55歳で生理を起こす薬を飲むの?」と誰もが思われるのではないでしょうか? この考え方は48歳の人に当てはめても、おかしくないことなのです。たしかに48歳というのは、まだ閉経していない人もたくさんいます。でも閉経していたとしても、全くおかしい歳ではありませんから。

チェーさんはホルモン検査を受けられたとのことですが、そのように女性ホルモンの数値は血液検査で簡単に分かりますから、時々受けられて数値を知っておくことは良いかと思います。そうして自分の今のステージというものを確認して、今後に備えるようにされてください。

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 取材・文/山本奈緒子

 

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