スタイリスト、ミモレコンセプトディレクターの大草直子が着こなしのアイデアや日々の思いを綴ります。
先日、実家で見つけた古い写真たち。今は、データ化されていて、いつでも取り出せますが、こんな紙焼きだと、「偶然見つけないと」誰の目にも触れないこともあるわけで。そのことにも、ちょっぴり感激してしまいました。
写真に写る私は、この時31歳。一緒にいるのは、3歳の日南子です。七五三の記念写真を、どこかに撮りに行ったとき。実は、妹2人(日南子にとっては叔母たち)も、別の写真には写っていました。
確かに若いことは若いけれど(笑)、どこか不安そうな視線が、当時の私の状況を物語っていますね。そう、この時は離婚した直後。フリーのスタイリスト、エディターとしての仕事が忙しくなったタイミングで、最初の子供でもある日南子を、実家の両親や妹たちの手を借りながら、手探りで育てていました。着ていたのは、とあるフランスブランドのワンピースですが、まだまだ「おしゃれのスタイル」というものは手にしていなく、「バランスがよく見えそうな」とか、「予算的にはまるもの」を、とにかく探していたことを覚えています。自分らしくいられて、着ていて着心地が良く、着回しが利いて、気持ちもアップしてくれるコーディネートで出かけられる割合(おしゃれの打率)は、そうだなあ、3割くらいだったかもしれませんね。
この時から15年の年月が経ち、日南子は大学1年生になり。理生、麻矢も生まれ、再婚し、仕事も本当にたくさんの経験をさせてもらいました。おしゃれも、トンネルに入ったり、抜け出せたり――と、まあ、忙しかった(笑)。
大変なことを1つ1つクリアしたからこそ、間違いなく、幸せの記憶も1つ1つ重なります。そして、「よく頑張ったね」と31歳の自分に声はかけてあげたい! けれど、若さをもう1度取り戻せたとしても、絶対に過去には戻りたくないなあ(笑)。
あ、今日のコラムで言いたかったのは、万が一今、仕事やプライベートで辛い思いをしている人がいたとしても、「大丈夫だよ♡」前述しましたが、大変なことを1つ1つクリアした先には、心の筋肉はきちんとついています。そうして身に着けた筋肉は、絶対に裏切らない! ということ。
そして、今後何かあったら、自分にも言ってあげよう。「大丈夫だよ♡」
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