テレビつければ宮迫博之だった日々がどうやら過ぎ、いまやテレビつければ進次郎&滝クリ。世の中ってホント無責任だなあと思うわけですが、そういう私も今週はそこに乗っかろうとしています、小泉進次郎&滝川クリステル。泉と滝。二人そろって名前が9文字。フジテレビの日に入籍。2020オリンピックイヤーベイビー。そんなどうでもいいところさえ、できすぎなほどにお似合いです。
首相官邸でのおそろいの会見にはド肝抜かれました。これまでの小泉進次郎は安倍晋三とちょっと距離がある感じが(私的には)好感度だったのに、自民党と自分の「次期首相イメージ」を同時にプロパガンダするあの場での会見を見て……なんというか、恐ろしく目端の利く、機を見て敏な進次郎。実のところ政治的にはそれほど成果も上げているとは思えないし、政治家として追い求めるトピックとかも実は全然見えてないのに、隣に滝クリがたつだけで、ロイヤルウェディング風というか、21世紀日本のケネディ一家風になっちゃって、もはや安倍晋三が3期終えた後の首相はこの人で決まり!のような空気すら漂っています。そういうことに比較的無関心な私ですら、G20でおしゃれなファッションに身を包んだ滝クリ首相夫人、フランス大統領夫人と談笑(もちろんフランス語で!)みたいなシーン、ちょっとばかり見てみたい。滝クリが首相夫人になったらいいな~、日本の政治家の奥さんで、こんなに見栄えする人いないもんな~、各国の大統領・首相あたりメロメロになっちゃうのでは~、別に関係ないのに自民党に投票しちゃう人とかいそうです。外堀から埋めてる進次郎。
これ本当に完全にうがった見方ですが、滝川クリステルさんからはあれだけの美人で、英語もフランス語も話せて、女子アナで、事実、権力を持ったおじさんたちにものっすごく愛されており、実際に今回の報道で「滝クリの“上がり”はファーストレディだったのか」と思った人もきっと多いはず。スポーツ新聞とか見ると、もはやファーストレディになったかのようなお祭り騒ぎで、「滝クリのような妻の“内助の功”に支えられるエリート」みたいな男のファンタジーがだだ漏れです。そういう人たちってアホだよねと(私が勝手に)思うのは、滝クリが「愛する男のために内助の功」をやってくれると無邪気に信じているところでしょう(いや、やるかもしんないけど)。進次郎でかした!とか思っているかもしれない。
いや、でも私は、ここからが進次郎の正念場だと思うのです。これまでなんとなく変人首相・小泉純一郎の残り香と、弁舌の爽やかさとか、イケメン風とか、そういったことで「本質」がふわふわしている事実を、なんとなくやり過ごしてきた進次郎。でも少なくともこれからは、滝クリをどう扱うのかで、この人の「ジェンダー」「女性活躍」に対する考え方は見えてくる。動物保護と生物多様性保全を目指す自身の財団法人を持ち、ジャーナリストでマルチリンガルでもある彼女は、進次郎と結婚したことにより、今まで以上に幅広い活躍の場を与えられることになるでしょう。「滝川クリステルとして生きてほしい」てなこと言っていましたから、地元を守り、後援会のご機嫌を取り、どぶ板選挙を共闘し……という従来型の政治家の妻の役割をまさか求めはしないでしょうが、下手すれば自分よりずっと輝きが強い妻に嫉妬せず、ちゃんと尊重していけるのか。そして彼の支持基盤がそれを許さなかった時にどうするのか。言行一致ができるのか。もちろん「でかした」と思うおじさんたちと同じくらい、嫉妬しているおじさんたちもいます。真価が問われるところです。
正直言えば滝クリには、誰かの妻ということを忘れてしまうほどに、もっともっと世界を舞台に活躍してほしい。権力をもったおっさんたちのお気に入りとか、女性誌でライフスタイルを語る元女子アナで終わってほしくない。Netflixの人気ドラマ『ハウス・オブ・カード 野望の階段』の大統領夫人――そして後に女性初の大統領へと昇り詰めるクレア・アンダーウッドのように。女が権力を志向することは全然悪いことじゃないし、彼女にはそうなる実力と輝きがあるのだから。
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