こうした事態を防ぐため、あらかじめ各種の契約を親から子に名義変更しておいたり、多少のまとまったお金は子どもが管理するという人が増えているようです(あまり大きな金額を子どもに送金すると贈与とみなされる可能性がありますから注意してください)。

 
 

人によっては、一連の詐欺的なビジネスの入り口となる固定電話を解約するケースも増えているようです。高齢者の中には携帯電話を嫌う人もいますが、使い方を教えて慣れてもらったり、迷惑電話が少ない050番号の固定電話に変えるといったやり方もあります。
実際、筆者も高齢の親にかかってくる電話をチェックしたことがありましたが、ほとんどがセールスか迷惑電話というのが現実で、連絡手段としてほとんど機能していませんでした。結局、筆者は親と相談し、固定電話を廃止して携帯のみとしました。


夏休みのシーズンは、実家とのやり取りも多くなりますから、このタイミングをうまく利用し、親の通信環境や資金管理について話し合ってみるとよいでしょう。可能であれば、実家の断捨離もスタートすると好都合です。

高齢になるとクルマの運転ができなくなったり、行動範囲が制約されるといった問題が発生するため、思い切って転居した方がよいケースも出てくるのですが、この妨げになるのが実家に溢れるおびただしい数のモノです。少しずつでよいですから、モノを減らす手伝いをしてあげるとよいでしょう。
転居しない場合でも、部屋が片付いていないと転倒のリスクが高くなります。転倒によるケガが原因で要介護になるパターンは非常に多いですから、断捨離には介護リスクを低下させる意味もあるのです。

親にお金の話を持ちかけると、場合によっては親子ゲンカの原因になる可能性もあると思います。普段あまり会話もしていないのに、いきなりお金の話を持ちかけられれば、相手が我が子であっても不機嫌になるのは当然でしょう。結局のところ、すべては日頃からどれだけ密にコミュニケーションを取っているのかがモノを言いますから、地道な努力が必要なのは言うまでもありません。

前回記事「どこよりも分かりやすく解説。フリーランスを悩ませる「インボイス制度」って何だ?」はこちら>>

 
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