米倉涼子さんが、過去に観た映画を紹介するアーカイブ コレクション。
そのときに観た映画から、米倉さんの生き方、価値観が垣間見えます。

ディズニーの大人のためのミュージカル【米倉涼子のシネマコレクション】_img0
Walt Disney Studios Motion Pictures / Photofest / ゼータイメージ

ブロードウェイ・ミュージカルを映画化したディズニーの『イントゥ・ザ・ウッズ』。おとぎ話の主人公たちがドタバタと出てくる展開がとにかく楽しい作品です。監督は大好きな『NINE』のロブ・マーシャル。
森の奥深さを感じさせるスケール感のある映像や、シンデレラの継母と娘たちに至るまで凝った衣裳は、さすがの一言。このミュージカルの音楽は複雑なので、それぞれに歌い上げる役者さんたちの歌唱力にも心動かされ
ました。
演技派のエミリー・ブラントが、しっかり歌ってくれる楽しさもあります。もしも自分が演じるとしたら、メリル・ストリープ扮する魔女の役をやりたいかも。いや、日本でやるなら夏木マリさん!? なんて想像するのも楽しい(笑)。

 

そうそう、赤ずきんちゃんを襲おうとするオオカミを演じたジョニー・デップ、久しぶりにかわいかったですよ。
あっさりいなくなってしまうので、ファンのみなさんは集中してチェックしてくださいね。おとぎ話の最後の“めでたし、めでたし”の先が描かれる物語には、いろいろなメッセージ性も入っています。
人ってみんな自分のことしか考えていない、欲深いところがある生き物。そんなちょっぴり“痛い”ところも描かれている、大人のためのミュージカルです。

『イントゥ・ザ・ウッズ』
子宝に恵まれない原因が魔女の呪いにあることを知った、パン屋の夫婦。ふたりは呪いをとくために必要なものを求めて、森へと向かう。同じ頃、それぞれの願いを持ったおとぎ話の主人公たちも、森の奥深くへと入って行くが……。音楽はオリジナルのブロードウェイ・ミュージカルの作詞、作曲を手がけているスティー ヴン・ソンドハイム。

取材・文/細谷美香
このページは、女性誌「FRaU」(2015年)に掲載された
「エンタメPR会社 オフィス・ヨネクラ」を加筆、修正したものです。