米倉涼子さんが見た、最新のおすすめエンタメ情報をお届けします。
シャーリーズ・セロンは私と同い年で、しかも同じ8月生まれ。勝手に親近感を抱いて、『サイダーハウス・ルール』の頃くらいから、ずっと出演作を見続けている大好きな女優さんです。
アカデミー賞主演女優賞を受賞した『モンスター』ではこんなにきれいな人がここまで壮絶な役作りをするんだと驚かされ、『アトミック・ブロンド』ではこんなにボロボロになるまで体を張ってアクションをやるんだと圧倒され……、そして彼女が製作も務めている最新作の『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋』は、久しぶりに最高に楽しいラブコメディを見たー! と心の底から思える作品です。
シャーリーズが演じるのは、大統領選に出馬することになった国務長官。年下で失業中のジャーナリストに大統領選のスピーチ原稿作りを依頼したことで、正反対のふたりの距離が縮まっていきます。
ドラッグが出てきたりお下品なギャグもあったりするけど、そこにしっかり政治的なネタが入ってくるところがアメリカのコメディならでは。笑わせようとするんじゃなくて、真剣にやっていることが笑いにつながるのがいいコメディの条件なのかも、なんてことも感じました。
シャーリーズは南アフリカ出身で英語もネイティブではなかったのに、ハリウッドで頑張っているところも尊敬しています。体もちゃんと鍛えている人ならではの美しさがあって、日本人には難しいシンプルなシャツとパンツの着こなしも素敵だし、ドレスを着たときの背中もすごくきれいなんですよね。
あ、でもひとつだけ言わせてください。タンゴを踊っているシーンを見て、唯一これだけは私のほうが勝ってる! と密かに思っちゃいました(笑)。
男と女のあり方や関係性が変わってきている今だからこそ作れた映画なんだろうな、というおもしろさも感じました。思わず笑っちゃうようなコミカルなラブシーンもあって、こういうベッドシーンなら私もやってみたい(笑)。
ドラマから映画界に進出して成功しなかった例としてジェニファー・アニストンの名前が出てきたり、結構攻めている小ネタもあります。パーティーのシーンに、ふたりが若い頃に聞いていたボーイズⅡメンが出てきたときには、私も聞いてた〜! と思わず興奮。世代的なツボが一緒の映画は、やっぱり楽しいですね。
こういうラブコメをもっと観たい! そして日本でもこういう突き抜けたラブコメを作れたらなぁ、という気持ちにもなった映画です。
『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋』
アメリカの国務長官、シャーロット・フィールドは大統領選挙への出馬目前。そんなとき、無職のジャーナリスト、フレッド・フラスキーに出会う。接点のなさそうな2人だが、実はシャーロットはフレッドの初恋の人。予想外の再会に、思い出話に花が咲く2人。シャーロットは若き日の自分を知るフレッドに大統領選スピーチの原稿を依頼し、次第に惹かれ合っていくが、その前途には高いハードルが待ち受けていて……。
2020年1月3日(金)、TOHOシネマズ 日比谷 ほか全国ロードショー
配給:ポニーキャニオン
提供:ポニーキャニオン/アスミック・エース
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構成/片岡千晶(編集部)
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