幸運にも仕事を通じて、服やジュエリーづくりの現場の思いがけないストーリーに触れることがよくあります。日本の技術は本当に素晴らしく緻密で繊細で、世界に類を見ない美しい生地やジュエリーを日々作り出しているんですね。
昨年お世話になったプラチナ・ギルド・インターナショナルさんのお仕事では、スタイリスト田中雅美さんを起用し、「プラチナを着る。自分を輝かせる究極のコーディネートとは」という記事を制作しました。
そこで私がハマってしまったのが、プラチナチェーンの加工の技術とそのバリエーションの多さです!
プラチナは元々好きで、あのいい感じの重さと色あせない輝きは他の地金にはないものだと思っていました。先日買ったバロックパールのリングもプラチナで、その重みが日々私に安心を与えてくれている気がします(笑)。ただプラチナのチェーンについてはそれまでほとんど知らなかったんです。
アズキ、キヘイ、スクリュー、ベネチアン、カットボール、ミラー、マーヴェラスなど、本当にたくさんの種類のプラチナチェーンがあるんですね。ほかの地金と違って純度が高く劣化しないので、いつまでもチェーンのキラキラした輝きを楽しめるのが特徴です。忙しい朝はネックレスを敬遠してしまう私も、ロングのネックレスなら被ればいいのでいいなあと…(笑)。
プラチナは、広げて延ばすことに優れた貴金属であること、またさらに日本の工場は細やかな加工に長けていることもあって、このように無数のプラチナチェーンがあるのだと。
なるほど…ぜひ一度その工場を見てみたいです!と言い続けていたら、チャンスが巡ってきました。お邪魔したのはジュエリーの製造・販売を手掛ける株式会社ムラオの千葉工場。棒状のプラチナを糸のように延ばす→チェーン編み機で編む→断面をカットし輝かせる、その一連の過程を見せて頂くことに。
プラチナのチェーンの種類の分だけ、それを編む機械があるんです。細いプラチナ線が捻られながら熱で溶接され編まれていく様をずっと見ていました。…た、楽しい(笑)。きれい…。時間が許せばずっと見ていたいと思ったのは私だけじゃなかったはず(この日は別の媒体の方やスタイリストの田中さんも一緒でした)。
意外だったのは、工場で働いている方に20~30代と思われる若い方がとても多かったこと。活気があってとても楽しそうな現場!
重厚な工場で超熟練した高齢の職人さんだけが作っている…のではなく、繊細な貴金属加工の技術とスピリッツは明るく地元の若い技術者の皆さんに受け継がれているのを目の当たりにして、とても嬉しい気持ちになりました。
工場見学って…楽しいですね! 読者の方と一緒に学ぶツアーとか、読者の方に行っていただいてレポートして頂くとか、勝手に妄想を膨らませています。
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