翻訳家・久山葉子さんの『スウェーデンの保育園に待機児童はいない ~移住して分かった子育てに優しい社会の暮らし』という本を読みました。

この本は、単なる美しい「憧れの北欧生活」に終わらない子連れ移住奮闘記であり、さらにスウェーデンの保育園の様子、共働き前提の社会システムの在り方、きちんと休み17時には帰る働き方なども紹介してくれています。

 
 

異国への移住は、負担の大きいもの。私もシンガポールに来て最初の3カ月ほど、1歳半の娘をフルで幼稚園に通わせるまで、ものすごくしんどい時期がありました。夫が遠方出張で子どもと自分だけのときに限って目眩で倒れるといった経験もあり、筆者の奮闘にはまるでわが身を振り返るかのような親近感を覚えました(雪の深い冬に到着しマニュアル車を運転しないといけない苦労は、熱帯でスクールバスも配車サービスも溢れているシンガポールと比べては申し訳ないですが……)。

しかし、海外移住にはその大変さを乗り越えてこそ、得るものも。著者はタイトルのとおり、日本とは比べものにならない保育園の入りやすさに驚きます。確かに海外に出ると、日本で求められる育児や家事の水準の高さなど、子育てと仕事の両立に、いかにさまざまな壁が立ちはだかっていたかに気付かされます。

この点はシンガポールと共通ですが、さすが北欧!と思わせられるのは、保育園での教育の内容。

 
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