夏休みで日本に一時帰国していた際、NHKの『ニュース7』という番組から取材を受け、「子供が一日中家にいる夏休みに、お母さんたちが苦戦している」という話にコメントを寄せさせてもらいました。

 

この話の背景には、子供の夏休みがあっても父親たちの働き方はほとんど変わらず、共働きであれば学童等の手配やお弁当の準備、専業主婦であれば1日中子供たちが家にいることで、母親へ負担が偏重しているという実態があると思います。地域やコミュニティによっては今も可能でしょうが、近所である程度安全に、子供たちがまとまって遊べる場所が減っている、ということもあるかもしれません。

ニュースでは母親たちの生の声や、(カメラが入るからかこぎれいで、あまり大変そうには見えなかったものの)実際のご家庭の様子が流れました。そしてこのニュースの放送後に、「確かに母親として夏休みはしんどいけれど、それを子供が見る時間帯のテレビで放映しないでほしい」「子供の前では決して夏休み疲れるとか早く終わって欲しいみたいなことは言わないできたのに(その本音を語る母親をテレビで映さないでほしい)」といった感想が寄せられていることを知りました。

これらの感想の背景には、母親たるもの、子育てが辛いとか、子供と1日中過ごすと疲れるということを、子供には決して見せまいという思いがあるのでしょう。ご自身がテレビに出ているならともかく、他のお母さんがしんどいと言っていることを子供に見られたところで「こういう人もいるのね」と言っておけばいいと思うのですが、母親というカテゴリーをまるまる引き受けているからこそ、こういう感想が出てくるのかなと思います。

 
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