正しくお金を増やすために金融機関で必ず聞くべき質問とは?〜泉正人さんインタビュー_img0
泉さんのシンプルでモダンなオフィス

――質問をして、みなさん答えてくれますか?

 

泉:はい、良心的な会社や担当者なら、答えてくれますね。でも「しまった」という顔をされたり、答えにくい雰囲気だったりすることもあって、その場合は僕はそこでは買いません。

結局は、会社と自分とで利益を分け合うことになるわけです。会社も自分も、両者がたっぷり儲かる、なんてことはないので、配分に納得がいくかどうかが大切です。

ただし、自分の利益を追求するあまり、会社が受け取る手数料が少なすぎれば会社が倒産する危険もあるので、それは避けたいですよね。

そこで僕は基準を持っているのですが、投資信託の場合、手数料が1.5%以下のものを目安にしてます。手数料とは、信託報酬(管理手数料)のこと。1.5%以下という数字を頭に入れておけば、0.5%くらいなら「安いね、買おうかな」ということになるわけです。

――金融商品も「買い物」の一つですから、納得のいくことが大切ですね。

泉:そうなんですよ。どんな買い物でも、自分で考えて買っていますよね。金融商品だから難しいと言って、何も考えずに「相手のおすすめ商品」をそのまま買わないようにしたいです。

実は、お金に関して自分なりの正しい判断基準を持つために、普段の買い物からできることがあるんですよ。

それは「値札を見る前に、自分で値段を当てる」という習慣。

洋服でも雑貨でも、選んで手にして、触ってみて。その際、自分の好き嫌いなどをいったん忘れて「これはいくらくらいするんだろう」と考えてみてください。
「この洋服は5000円くらいかな」と予想して、実際は1万円だったら、買ってはいけないですよね。でも逆に「1万円くらい」と思ったものが、5000円だったら「買い」と言えます。

お金の価値をはかるトレーニングは、日常生活でできるのです。

――そうすれば「セールで安いから、たくさん買ってしまう」という失敗も防げますね。

泉:はい。「価値と価格」というのは、似て非なるもの。「価格」を見るのではなくて、「価値」を見ることが重要。つまり、判断力が大事です。正しく判断できるようになると、お金は確実に貯まっていくんですよ。
 

文/西山美紀
撮影・構成/片岡千晶(編集部)

 

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