肩下30㎝以上あった髪をバッサリとカット、カットした髪をヘアドネーションという形で寄付した安田佑子さん。ヘアドネーションに興味はあるけれど、どんな段取りでやればいいの?という疑問を、ヘアスタイリスト・shucoさんに教えていただきました。

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Before
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After

アデランスが行った『ヘアドネーションに関する意識調査』によると、女性の約8割がヘアドネーションに興味があり、約3割が実際にヘアドネーションをやってみたいと回答。関心が高くなってきているのは確かなよう。

「誰かが笑顔になるなら、という気持ちがある一方で、具体的なやり方や寄付したあとの“その先”の情報が気になりますよね」と安田さん。確かに、なんとなく知識はあるけれど、きちんとした情報や知識となるとふわっとしてる人がほとんど。そこで、ドネーションカットの経験が豊富なshucoさんにヘアドネーションについてお聞きしました。

安田佑子、髪を切る。寄付をする【ヘアドネーションのやり方】はこちら>>

 


ヘアドネーションをやってみたいけど……不安や疑問にお答えします!


お話を伺ったのは……

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ヘアスタイリスト shucoさん
ヘアスタイリストとして活動する傍ら、2009年頃からヘアドネーションに関心を持ちボランティアでドネーションカットを行う(現在は受付休止中)。


そもそも「ヘアドネーション」って何?


髪を切って寄付すること、それがヘアドネーション。がんをはじめとする病気や、事故による怪我、疾患などが原因で頭髪に悩みを抱える子どものために、寄付された髪でメディカル・ウィッグを作って届ける団体に向けて、髪を寄付すること、と理解して。


Q 提携する美容室はどうやって調べたらいいですか? 行きつけの美容室でもやってもらえますか?


A「まずは行きつけの美容室でドネーションカットができるかどうか聞いてみましょう。また、ヘアドネーションを受けつけているNPOなどに賛同しているサロンはネットなどで検索できるのでチェックしてください」(shucoさん)


Q 自分で切っても大丈夫ですか? カットする際の注意点はありますか?


A「自分でカットしても大丈夫ですが、その後の仕上げも必要なのでサロンでカットするのがベターですよね。カットの際は、髪を濡らさない、束にしてカットする、長さを計測するといった注意点があります。寄付する先の団体がどのような条件で受けつけているのかを確認してください」(shucoさん)

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Q 寄付をする髪の長さの規定はありますか?


A「私がドネーションカットする場合は、最低で31㎝からにしています。というのは、寄付した髪はメディカル・ウィッグの材料になりますが、31㎝よりも短いと、ウィッグの材料としては使えないそう。ウィッグは、思っているより量も長さも必要になると聞いています」(shucoさん)


Q くせ毛やパーマをかけていても大丈夫ですか?


A「くせ毛やパーマをした髪でも大丈夫ですし、グレイヘアでも問題ありません。ただし、ブリーチを繰り返すなどした極端に傷んで、切れやすい髪や縮毛矯正を行っている髪はヘアドネーションには不向き。自分の髪が適しているかどうかは、それぞれの団体や賛同サロンで確認を」(shucoさん)


Q ヘアカラーや白髪染めをしていていても可能ですか?


A「一般的なヘアカラー、白髪染めは問題ありません。ただ、繰り返しになりますが、極端に傷んだ髪は、切れやすいなど加工に適していないので不向きです」(shucoさん)


Q 寄付先にはどんな種類がありますか?


A「私が長年協力しているのは『JHD&C(通称・ジャーダック)』というNPOです。他の団体もありますので、興味がある方はぜひ調べてみてください」(shucoさん)

■ヘアドネーションを受けつけている主な団体はこちら

JHD&C(Japan Hair Donation & Charity/ジャーダック)
日本のヘアドネーション活動の草分け的存在のNPO。サイトではヘアドネーションの流れについて詳しい説明があるほか、賛同サロンの検索も可能。

NPO法人HERO
全国のウィッグを必要とする子どものもとへ、採寸型取りの個別訪問を行っている。オリジナルキャラクターのヒーロー『破牙神ライザー龍』とともに活動しているのがユニーク。

つな髪
医療用ウィッグの製造販売などを行う企業、グローウィングによる「髪でつながる社会貢献」をコンセプトにしたプロジェクト。

ふくりび
人毛100%の医療用ウィッグの制作・販売を行っているNPOで。ヘアドネーション型の完全オーダーメイドの医療用ウィッグ『4youWig(フォーユーウィッグ)を販売中。

おまけ情報
I do hair donation

ヘアドネーションの認知度を向上させるための「ヘアドネーションマーク」という可愛いデザインの缶バッジ。髪を切るその日まで、ちょっとした心の支えになりそう。


髪は天下のまわりもの、にするのは私達の気持ち次第


「爪と一緒で髪だっていつでも切れるのに、ずっと長かったので体の一部になっていました。でも、ハサミが入った瞬間『ああ、誰かのためのものになった。良かった』と感じられたことがうれしかった」というのは、今回、ヘアドネーションに協力した安田さんの言葉。それは、純粋なボランティアというだけでなく、自分が変わるきっかけとして社会貢献ができた喜びだったよう。

「ボランティア=いいことをする」「ヘアドネーション=苦しんでいる子どもを助ける」なんて高尚な気持ちより、どうぜ髪を切るのならついでにボランティアもできて一石二鳥、ぐらいの気持ちで挑戦したいのがヘアドネーション。一生に一度くらい、挑戦してみませんか?

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安田佑子さん

フリーアナウンサーとしてラジオ出演、各種イベントでのMCなどで引っ張りだこ。作詞家、ライターという一面もあり。Instagram⇒@yasudayuko_official 

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shucoさん

ヘアスタイリスト。パリで活躍の後、現在は東京をベースに雑誌や広告、コレクションなどでクリエイティブな作品を多く手がける。Instagram⇒@shucohair

撮影/中田陽子
 ヘア/shuco
取材・文/丸岡彩子
 構成/川端里恵(編集部)

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