スタイリスト、ミモレコンセプトディレクターの大草直子が着こなしのアイデアや日々の思いを綴ります。

 

来年頭に新しく出る書籍の準備をしています。私物を運び出しての撮影になるので、まるで引越しをするみたいで、実はここで、また断捨離できたりして。

そして、ページごとのテーマや伝えたいことを映せるコーディネートを考えていると。実は、ページに登場する服やバッグ、靴はほんの一部だということに気づきます。

たくさんの素材、色、デザイン、ブランドを自分で経験すること。そこでもらった情報をお伝えすることが仕事だからこそ、決して少ない数ではない「アイテム」を所有しています。まだまだ体型にブレがあり、子供の行事も多く、仕事も体力勝負の現場から海外でのパーティーなんかもあるから、やはり、限られた服や小物では対応できません。結果、全く使わないアイテムは1つもないけれど、ミニマムクローゼットとは遠い! また、生活のスタイルや年齢、体型、顔立ちが変わると、クローゼットの景色も移り変わるんだろうな、などと思ってしまいました。

37歳で最初の本を出版してから、今年で10年! 全てのスタイリングブックに出てきたのが、この2つ。祖父から継いだジャガー・ルクルトのヴィンテージウォッチと、母から預かって返していない! バロックパールのネックレス。

デニムに合わせたり、トレンチコートに効かせたりしています。もしかして引越したり、クローゼットを整理したりしても、絶対に手放さないものであり、私が購入したものも、そこに加わり、子供達に渡っていきます。

本を作るにあたり、過去の15冊を見返してみました。10年前の本は、顔は丸いし、肌もぱーんとしているし、着ている服も少しずつは違うけれど、結局ベースは変わらない! もちろん今でも愛用している服はあるし。きれいな色を着るようになった、黒が大好きに。人生がレイヤーしていくように、おしゃれのTIPSもアイテムも、捨てたり取り入れたりしながら、同じくレイヤーしていく。

引越しに近い作業で、そんなことを考えています。

 

大草 直子

事務所からラックを持ち込み、家の至る場所に置いています(泣)。おそらく、この4倍くらいの服、さらに靴やバッグも持ち出します。
過去の本でも、母のパールをスタイリング。デニムの丈などはもちろん違いますが、組み合わせは、今とあまり変わりません。

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